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WHO年次総会出席が絶望的、情報収集に懸念も


ニュース 政治 作成日:2017年5月15日_記事番号:T00070548

WHO年次総会出席が絶望的、情報収集に懸念も

 22日から開かれる世界保健機関(WHO)の年次総会(WHA)に台湾が出席できないことが確定的となったことを受け、蔡英文総統は12日、「台湾は世界の衛生システムの一翼を担っており、皆が知っている政治的な配慮で排除されるべきではない」と批判した。13日付蘋果日報が伝えた。

 これに先立ち、年次総会事務局長のティム・アームストロング氏は「台湾を今年の総会に招く計画はない」と明言した。開催ぎりぎりまで出席交渉は続いているが、中国は台湾の蔡英文政権が「1992年の共通認識(92共識)」や「一つの中国」の原則を受け入れない限り、態度を軟化させることはないとみられ、出席は絶望的だ。

 陳時中・衛生福利部長は「政治的にはこういう結果は予測していたが失望している。台湾の医療、防疫分野の実力がいつまでも門前払いされるはずはない。(台湾のような)高水準のパートナーを欠くことは世界の損失だ」と訴えた。

 衛生福利部は「総会に出席できないことで、台湾人の健康が直ちに脅かされることはない」としながらも、「台湾はWHO年次総会のセーフティーネットの外に置かれ、国際的な伝染病流行が起きた場合、速やかな情報収集ができない可能性がある」と懸念を示した。

 2003年3月に台湾で重症急性呼吸器症候群(SARS)患者が発生後、WHOが台湾に関係者を派遣したのは5月になってからだった。専門家は「台湾は過去にSARSで孤島になった。今回再び排除されることになれば、新たな伝染病の発生時に孤立無援の状態になりかねない」と指摘した。