ニュース 社会 作成日:2017年5月18日_記事番号:T00070631
台湾で最近、作家の林奕含さん(26)が学生時代に補習班(学習塾・予備校)講師から受けた性的暴力による心の傷が原因となって自殺したとされる問題がメディアをにぎわせる中、ある女子高校生がインターネット掲示板で、別の講師からわいせつ行為を受けたと名指しで暴露。その直後にこの講師が自殺していたことが明らかとなった。
自殺したのは新北市の補習班で物理・化学の授業を担当していた許杰森(本名・許力中)氏。同氏は台北市の中学校で臨時教諭として勤めていた2015年、交際していた新北市の女子中学生(15)をモーテルに連れ込み胸や下腹部を触るなどの淫らな行為を行った罪で、昨年6月に懲役4年(執行猶予2年)の有罪判決を受けていた。
許氏は当時、既婚者で妻との間に2人の子供がいたが、同事件が原因で離婚。勤めていた中学校も解雇された。
そして今月6日、ネット上の匿名掲示板「Dcard」に、高校3年生の女子生徒を自称するユーザーが、許氏が有罪判決を受けた1カ月後、自分に対し性的暴行を行ったとする内容の記事を投稿した。
同記事によると、この女子生徒は昨年、大学受験のため補習班に通っていた際、過去に授業を受けたことのある許氏から苦手としていた物理・化学を個人的に教わることになった。同年7月、喫茶店で授業を受けていた際、許氏は彼女に対し体を触る、無理やりキスをするなどわいせつ行為を行ったほか、さらに後日、自分の車に彼女を連れ込んで性的暴行を働いたという。
女子生徒が林奕含さんの事件を知り、塾講師による被害者をこれ以上出したくないと考え記事を投稿したところ、ネット上で大きな注目を集めた。記事で名指しされた許氏もこれを目にしたかどうかは不明だが、記事が投稿された2日後、台北市内の公園で首をつって自殺した。
なお台湾では許氏や、林奕含さんを自殺に追い込んだとされる陳星(本名・陳国星)氏のように、授業では「芸名」を用いる塾講師が多い。しかし芸名を隠れみのに不適切な行為を働く講師も少なくないことから、立法院では補習班の経営者、従業員、講師が業務を行ったり、生徒を募集する際は実名を明示することを義務付ける法改正を目指している。また、生徒に対し性的な問題を起こした講師についてデータベースを作成し、調査可能とする方針だ。
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