ニュース 社会 作成日:2017年5月19日_記事番号:T00070658
故宮博物院は18日、日本の漫画雑誌でも連載経験を持つ台湾を代表する漫画家で、今年3月に心筋梗塞で死去した鄭問(チェンウェン)氏を記念する特別展を来年3月に開催すると発表した。同博物院で漫画に関する展示が行われるのは初めてとなる。
1958年に桃園県(現・桃園市)に生まれた鄭氏は職業学校で美術を学んだ後、デザイン関係の仕事に就いたが、84年に週刊誌『時報周刊』に初の漫画作品「戦士黒豹」を発表し、漫画家としてのキャリアをスタートさせた。
伝統的な水墨画の技法に西洋の絵画技術を取り入れた鄭氏の作品は高い評価を受け、90年には日本の講談社の依頼を受けて漫画誌『モーニング』上で中国・春秋戦国時代の英雄らを描いた「東周英雄伝」の連載を開始。高い技術力とストーリー展開の面白さが好評を博し、翌91年には外国人で初めて日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。
その後もゲームソフトのキャラクターデザインを手掛けるなど漫画だけにとどまらない活躍を続けていたが今年3月26日、自宅で心筋梗塞を発症。病院へ救急搬送されたものの回復せず、58歳の若さで帰らぬ人となった。
鄭氏の漫画作品は台湾と日本だけでなく、香港や中国大陸でも高い人気を博したようで、同氏の弟子に当たり、現在、漫画業界団体の台北市漫画従業人員職業工会で理事長を務める鍾孟舜氏によると、過去2カ月間に中国と香港の企業から鄭氏作品のゲーム化や映画化ライセンスの買い取りや、権利金を支払って展覧会を開催したいという申し入れが相次いだという。
一方で、台湾からの問い合わせは少なく、鍾氏は「台湾の宝というべき鄭先生に対するリスペクトは海外の方が強い」と失望を感じていたそうだが、一部の立法委員の働き掛けや故宮のオープン化、ローカル化を推進する林正儀院長の意向を受けてこのほど、同博物院における「鄭問紀念展」の開催が確定した。
なお現時点で同展では、『東周英雄伝』など漫画作品の原稿や、日本で発売されたゲームソフト『鄭問之三国誌』のキャラクターデザイン用手書き原稿100枚などの展示が予定されている。
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