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AIアシスタント市場急成長へ、台湾は商機に期待


ニュース 電子 作成日:2017年5月22日_記事番号:T00070660

AIアシスタント市場急成長へ、台湾は商機に期待

 「アマゾン・エコー」、「グーグル・ホーム」に続き、アップルが6月にも発表するとみられる家庭用AI(人工知能)アシスタント端末のスマートスピーカーは、ハイテク業界の今年の注目製品だ。ストラテジー・アナリティクスによると、市場規模は昨年の590万台から2022年に10倍まで拡大する予測。組み立ての鴻海精密工業、英業達(インベンテック)のほか、電源アダプター、ケーブル、オーディオ部品など台湾メーカーに大きな商機をもたらしそうだ。22日付経済日報が報じた。

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 スマートスピーカーは家庭でスマートフォンやパソコンなどの機器を介さずに、音声で情報を検索したり、家電を操作することができる端末で、スマートハウスの中心に位置付けられている。

 現在、▽音声アシスタント「アレクサ」搭載「アマゾン・エコー」の小型版、「エコー・ドット」▽「グーグル・ナウ」搭載の「グーグル・ホーム」▽マイクロソフト(MS)の「コルタナ」搭載の「インボーク」──が主力製品だ。

 アップルは6月5日に開発者会議(WWDC)で、音声アシスタント「シリ」搭載のスマートスピーカーを発表する確率が50%以上と予想されている。

ロングウェル、ケーブル独占か

 アップル製品の動向把握で定評のある凱基証券(KGI)の郭明錤アナリストは、「アマゾン・エコー」の急成長を受け、アップルは家庭用AI市場を無視できなくなったと指摘。アップルのスマートスピーカーはハイエンド向けで、「アマゾン・エコー」より高価格と予想した。

 市場では、鴻海のほか、インベンテックもアップルのスマートスピーカーを受託生産するとみられている。インベンテックはノーコメントだ。インベンテックはかつてアップルのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)「iPod」を受託生産しており、昨年12月に発売したアップル初のブルートゥースイヤホン「エアポッド」も受注している。

 アップルのスマートスピーカーは台湾積体電路製造(TSMC)が半導体を生産するほか、良維科技(ロングウェル)が電源ケ

ーブルを独占受注し、建準電機工業(サノン・ウェルス・エレクトリック・マシン・インダストリー)が放熱器や放熱フィンを受注したようだ。

メディアテックも注力

 一方、アマゾンのサプライチェーンとしては、組み立ての鴻海、インベンテックのほか、▽群光電子(チコニー・エレクトロニクス)、電源アダプター▽美律実業(メリー・エレクトロニクス)、オーディオ部品──の名が挙がっている。

 グーグル向けには、聯発科技(メディアテック)がAIアシスタント搭載スマートスピーカー向けの「MT8516」を、チコニーと群光電脳科技(チコニー・パワー・テクノロジー)が電源アダプターを、致伸科技(プリマックス・エレクトロニクス)がスピーカー駆動装置を供給するようだ。

 メディアテックは、「MT8516」でスマートハウスを充実させることができると説明した。証券会社は、メディアテックのスマートスピーカー向け強化で、TSMCが恩恵を受けると予測した。

【表】