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HTCが医療事業に注力、AIプラットフォーム設立


ニュース 電子 作成日:2017年5月24日_記事番号:T00070716

HTCが医療事業に注力、AIプラットフォーム設立

 宏達国際電子(HTC)は23日、注力する医療事業で、医療人工知能(AI)プラットフォームを設立したことを明らかにした。持ち運び可能な病気診断装置「DeepQ」やスマートフォン用処方薬管理アプリ「用薬通」などを開発しており、今後B2B(企業間)市場に焦点を絞ったビジネスモデル構築を目指す。24日付経済日報が報じた。

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 同社健康医療事業部の張智威総経理は23日、医療AI開発について、台湾では20年前から全民健康保険を通じ、個人の医療データを電子化して集約保存しており、特にデータ集約に時間がかかる慢性疾患では非常に優位との考えを示した。さらに台湾では戸籍制度を採用しているため、遺伝性疾患などで家族情報と連結させて分析でき、高い開発競争力を持っていると指摘した。

 またHTCは、発症数が少なくデータ量が不十分な悪性黒色腫(メラノーマ)といった病気についても、AIを用いてシミュレートすることでビッグデータを作り上げ、解析することに成功している。

DeepQ、国際的に高評価

 HTCが開発した病気診断装置「DeepQ」は、中耳炎や睡眠時無呼吸症候群など12種類の病気を特定でき、クアルコムがメーンスポンサーを務める診断装置の機能、性能を競うコンテスト「トライコーダー・エックスプライズ」で準優勝を獲得し、国際的に高い評価を得られた。詳細は未定だが、現在商品化を目指している。

/date/2017/05/24/00HTC_2.jpg国際コンテスト「トライコーダー・エックスプライズ」には38カ国・地域から312団体が参加した。DeepQは優勝は逃したものの、HTCの高い技術力をアピールした(リリースより)

 張総経理は、▽台湾大学医学院附設医院(台大医院)▽長庚紀念医院▽栄民総医院▽台北医学大学▽馬偕紀念医院(マッケイ・メモリアル病院)──といった大規模病院と、それぞれ異なる医療内容について研究を進めており、今後B2B市場をメーンに展開すると話した。

 HTCが開発したスマホアプリ「用薬通」は、処方薬リストのQRコードを読み取れば、副作用などの情報を取得でき、服用時間になると知らせてくれる。過去の処方記録や体調変化も記録管理できる。

 同社は問診システムの開発も進めており、患者は同システムを使うことで、症状に合った受診科目を知ることができる他、自宅から近い病院や医師の有無などが検索できる。これにより現場の医師の負担を減らし、診断効率を高めることが可能となる。

【表】