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中国の台湾政策、新キーワード「一代一線」


ニュース 政治 作成日:2017年5月24日_記事番号:T00070736

中国の台湾政策、新キーワード「一代一線」

 中国政府は最近、対台湾政策の基調を中台の若者、庶民の交流を重視する方向へとシフトさせている。24日付工商時報が伝えた。

 兪正声・中国人民政治協商会議(政協)主席は今年3月、全国政治協商会議で「台湾の『基層一線』(庶民)と青年一代との交流を強化し、両岸(中台)関係の平和的発展に向けた民意の基礎を植え付けていく」と発言。これが対台湾政策の新たなキーワード「一代一線」の語源となった。

 これは民進党支持層の切り崩しを図ろうとするこれまでの「三中一青」(中小企業、中低所得者、中南部と青年)からの方針転換を意味する。

 上海台湾研究所の倪永傑常務副所長は、これまでの「基層」の定義が「三中一青」だったとすれば、兪主席の発言にあった「基層」の定義はさらに広く、「中南部だけでなく台澎金馬(台湾本島と澎湖、金門、馬祖)」、「各業界業種、農林水産業、第一線で働く基礎労働者」を指すと説明。より台湾の庶民層に接触していくことが狙いだと分析した。具体的には台湾の青年による中国での就職を促進している点を挙げた。

 一方、中国側の対台湾関係筋は、中国が「1992年の共通認識(92共識)」を認めない蔡英文政権との交流を行わない一方で、台湾との民間交流を積極的に進める「官民分離」路線を歩むと指摘した。