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歩きスマホに注意喚起、台中市が専用の道路標識設置へ


ニュース 社会 作成日:2017年5月24日_記事番号:T00070738

歩きスマホに注意喚起、台中市が専用の道路標識設置へ

 台湾ではスマートフォンやタブレット端末の画面を四六時中見ている「スマホ中毒者」のことを、そのうつむき加減の姿勢から「低頭族」と呼ぶ。街中を歩く際も画面から目が離せない者も多く、危険を招く恐れがあると社会問題となっている。そんな中、台中市ではこのほど、歩行中のスマホ利用者に注意を促すための道路標識を試験的に導入することを決めた。

 台湾は車やバイクを運転中に電子製品を使用することを法律で禁じており、たとえ赤信号で停車している場合でも、使用が発覚すれば罰則を受けることになる。一方、歩行者の使用については特に規定はないが、他の歩行者や車にぶつかりそうになったとの声が多く聞かれるため、一部の立法委員からは歩行者も処罰対象に含めるべきとの提案がなされている。

 この提案は現時点で保留となっているが、台中市の蔡雅玲市議(民進党)は23日の議会で、市政府は交通標識を設置して歩行中のスマホ利用者などに安全についての注意を喚起すべきと訴えた。

 これに対し同市交通局の王義川局長も賛同を示し、まず新光三越百貨・台中中港店や同市北区の「一中商圏」など人の往来が多い地点に3カ月以内に試験設置したいと表明。効果を見て設置範囲を拡大する方針だ。

 なお台中市の決定を受けて、台南市や桃園市でも同様の道路標識の設置を検討している。ただスマホ画面を見ている歩行者に注意を促すにはうつむいた状態で視界に入る場所に標識を設置する必要があり、台北市や高雄市政府は「歩行中に利用してもよいと認めることになる」などとして追随しない考えを示した。

 いずれにせよ、「歩いている時にスマホを見たい」という軽い気持ちが悲劇につながらないよう、有効な手立てを模索してもらいたいものだ。