ニュース 食品 作成日:2017年5月25日_記事番号:T00070745
コカ・コーラ台湾は24日、高雄工場を閉鎖することを明らかにした。来年上半期に生産能力を桃園工場に移転予定で、従業員21人が異動し、99人は離職する。健康志向が高まり加糖飲料への需要が弱まる中、米コカ・コーラ本社が推進するリストラが、販売不振に陥っている台湾南部にも波及した格好だ。25日付経済日報が報じた。
コカ・コーラは、全世界の従業員10万人を2018年に4万人まで削減する計画とされ、先月1,200人の削減を発表したところだ。
コカ・コーラ台湾は、ここ数年は北部の販売量が6~7割を占め、南部と落差が大きかったと説明した。炭酸飲料、ジュース、ガラス瓶を主に生産している高雄工場を桃園工場に統合することで、生産効率を高める狙いだ。高雄には営業所と物流倉庫を残し、南部向け配送を担う。
茶飲料で攻勢
販売業者によると、コカ・コーラは台湾の炭酸飲料市場で首位を維持しており、茶飲料の「原萃」や
「FUZE TEA」シリーズの販売も好調で、今年も新製品を引き続き発売するなど、台湾への投資は継続している。
コカ・コーラ台湾は10年に「爽健美茶」シリーズを発売し、一気に茶飲料市場シェア5%を獲得した。「原萃」は既に上位5位に浮上しており、統一企業(ユニプレジデント)や維他露食品(ビタロン・フーズ)と競っている。炭酸飲料の販売はやや伸び悩んでいるものの、同社の販売自体は安定していると販売業者は指摘した。
経済部の統計によると、台湾の16年飲料市場規模558億台湾元(約2,100億円)のうち、炭酸飲料は53億元で前年比4.2%減だった一方、茶飲料は235億5,000万元で前年比1.9%増だった。
大手の流出、地元に衝撃
地元関係者は、南部は産業発展が不十分で、消費が低調なため、コカ・コーラが高雄工場閉鎖を決めたと推測している。南部経済のけん引役の高雄市は、従来の石化、鉄鋼業中心から、クリーンエネルギー、サービス業中心へと産業構造の転換を進めているものの、主要道路でも空き物件が目立つ状況だという。
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