ニュース 社会 作成日:2017年5月26日_記事番号:T00070792
台湾鉄路(台鉄)の屏東駅は巨額の費用をかけて改築し、2015年にリニューアルオープンしてまだ約2年しか経過していないが、プラットホームには大きな屋根が設けられているにもかかわらず雨漏りがひどく、雨の日は傘をさす必要があることや、ホームの階段の出入り口前に大きな柱が立ちはだかる設計の悪さなど問題点が数多く指摘されており、地元住民から物笑いの種となっている。
屏東駅は路線の高架化に合わせ、12年から28億台湾元をかけて高架駅への改築が進められ、15年8月に供用を開始。取り立てて特徴がなかった鉄筋コンクリート製平屋建ての四角い旧駅舎とは異なり、ヤシの木をモチーフにしたという支柱が屋根の上に高く突き出た斬新なデザインや、屋根に太陽光発電パネルを設置した省エネ対策が当時話題を集めた。
しかし実際に利用が開始されると、乗客から不満の声が相次ぎ、潘孟安・屏東県長の元にも毎日のように苦情が寄せられているという。これを受けて潘県長は25日、同駅を訪れて現状を視察。その際、ちょうど大雨が降っており、ホームには雨水を受けるための大きなバケツが数個置かれていたが、それでも床は水浸しだったという。
これについて交通部鉄路改建工程局(鉄工局)南部工程処の伍育徳処長は、既に改善工事を進めており、10月には完了すると強調した。
一方、柱が階段の出入り口を塞いでいる問題について伍処長は「構造の安全上、移動することはできない」とした上で▽階段の幅を広げる▽エスカレーターを増設して出入り口を増やす──という2つの改善策を挙げ、既にエスカレーターの数を以前の3基から8基に増やしており、県の使用許可を待っている状態だと説明。階段の幅についても今後、工事を進める方針を示した。
なお台中市の台鉄・豊原駅も昨年10月、高架化に伴う改装を終え、供用を開始したばかりだが、こちらも雨漏りがひどく、雨の日は構内でも傘が必要となるほか、車いす用のスロープが滑って使えないといった問題や、基準を超える騒音が指摘されている。
外観重視や環境保護問題への取り組みも大切だが、まずは駅としての基本的な機能をしっかりと確保することが先決だろう。
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