台湾の非政府組織（ＮＧＯ）活動家で元民進党職員の李明哲氏が今年３月に中国で拘束され、行方が分からなくなっていた問題で、中国国務院台湾事務弁公室（国台弁）の安峰山報道官は26日、李氏が「政権転覆活動」を行っていたとして、湖南省で「法に基づき逮捕された」ことを明らかにした。27日付蘋果日報が新華社電を引用して伝えた。
ＮＧＯ団体は27日、法務部の前で、早急に訪中して交渉するよう訴えた（27日＝中央社）
安報道官によると、李氏は2012年から頻繁に中国に出入りし、不法組織を立ち上げ、政権転覆活動を行ったため国家政権転覆罪に問われており、既に被疑事実を認めていると説明した。ただ、具体的な事実関係や物証には触れなかった。
李氏が行方不明になった後、妻の李凈瑜氏や台湾政府は中国側に重ねて釈放を働き掛けてきた。特に李凈瑜氏は今月19日、米議会で証言し、トランプ政権に対し、李氏釈放を中国政府に求めるよう呼び掛けた。
台湾の行政院大陸委員会（陸委会）は「中国大陸の関係部門が事実関係を全く明らかにしないまま、あいまいで短い説明しか行わないのでは、台湾住民を納得させることはできない」と批判した。
