ニュース 社会 作成日:2017年5月31日_記事番号:T00070819
台北市北投区の逸仙国民小学(小学校)で28日夜、校門脇で保存されていた日本統治時代のこま犬の前足が破壊される事件が発生。犯行は、4月に嘉南平原の農業用水整備で功績のあった日本統治時代の技師、八田與一(よいち)氏の銅像の頭部を切断し、送検された急進統一派政党、中華統一促進党のメンバー、李承龍容疑者(59、元台北市議)と邱晋芛容疑者(50)によって行われた。2人はこま犬を破壊した理由について「日本植民時代から残されたごみを取り除くため」などと供述した。30日付中国時報などが報じた。
100年の歴史を持つこま犬の前足部分が無残にも破壊された(29日=中央社)
28日午後8時ごろ、逸仙小に到着した容疑者2人は校門の両脇に保存されたこま犬2体をハンマーで殴りつけて前足の部分を破壊。その過程をフェイスブック(FB)でライブ中継した。
このこま犬は日本時代、逸仙小近くにあった「北投神社」に設置されていたもので、同校では学校を守る「神獣」として校門に安置していた。
しかし李容疑者は「このこま犬は第二次世界大戦で死亡した日本軍兵士の魂を守る『鬼獣』だ」と指摘。「校内で学ぶ国家の未来の主人公を鬼獣に守らせるとは何事か」などと語った。
2人は現場に駆け付けた警察官に連行され、取り調べを受けた後、拘置所に勾留された。また逸仙小は学校の所有物を破壊したとして2人を告訴した。なお今回の事件に対し柯文哲台北市長は「無理やり波風を立て対立をあおるような人物は厳しく処罰すべき」とコメントした。
師範大学政治系の范世平教授は自身のFBページで、李容疑者が日本人の銅像とこま犬を相次いで破壊した動機について、知名度の向上、台湾人の反日感情や中国との統一に対する支持を高めるなどの目的が考えられると指摘。さらに中国政府からの依頼を受けて「業績」を挙げ、補助金を獲得する狙いがあった可能性もあるとの見方を示した。
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