ニュース 電子 作成日:2017年6月5日_記事番号:T00070899
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は先日、▽IoT(モノのインターネット)▽モバイル端末▽高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)▽スマートカー──向けに、高速・低消費電力のeRRAM(組み込み式抵抗変化型メモリー)、eMRAM(組み込み式磁気抵抗メモリー)をそれぞれ今年末、来年末に試験生産すると表明した。次世代メモリー市場で既にMRAMを発表したサムスン電子を追い掛ける。5日付経済日報が報じた。
孫元成技術長は先日のTSMC技術フォーラムで、長年にわたり研究開発(R&D)してきたeRRAMとeMRAMを来年以降、主に製造プロセス22ナノメートルで試験生産する予定だと説明した。eRRAMは来年半ばに量産予定だ。
魏哲家共同執行長はこれまで、汎用メモリーにはもう参入しないと語っていた。次世代メモリーは、TSMCにとってメモリー市場への再参入となる。
サムスンのMRAM、NXPが採用
次世代メモリーを提供できるのは現在サムスンだけだ。サムスンのMRAMは、NXPセミコンダクターズが採用を決めており、TSMCを大きくリードしている。
一方、TSMCは2000年より工業技術研究院(工研院、ITRI)とMRAMなどの次世代メモリーの研究開発を行ってきた。DRAMに比べて難易度が高いため、研究開発の時点で商用化を諦めるメーカーが多数だが、DRAMやNAND型フラッシュメモリーでは▽無人自動車▽人工知能(AI)▽ハイエンドスマートフォン▽IoT──などの高速演算に限界があるため、TSMCは来年以降の量産目標を決定したようだ。
次世代メモリーは、従来のフラッシュメモリーの1万倍以上の書き込み速度で、今後メモリー市場の主流となる可能性がある。
メモリー関係者は、主な次世代メモリーは▽MRAM▽RRAM▽PRAM(相変化メモリー)──の3つで、中でもMRAMは処理速度が最も速いものの、最も量産が難しいと指摘した。
マクロニクスも期待感
台湾メーカーでは旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル)、華邦電子(ウインボンド・エレクトロニクス)や聯華電子(UMC)も次世代メモリーに参入している。
マクロニクスは既に特許を取得するなど、最も進度が早い。盧志遠総経理は、次世代メモリーは書き込み速度が速く、今後の商機が期待できると話した。ただコストが非常に高いので、応用製品が限定され、商用化まで時間がかかると述べた。
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