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エヌビディア創業者・黄仁勲氏、読書好きないたずらっ子だった


ニュース 社会 作成日:2017年6月6日_記事番号:T00070946

エヌビディア創業者・黄仁勲氏、読書好きないたずらっ子だった

 近年さまざまな分野で応用が進む人工知能(AI)。同技術の開発に早くから取り組み、最近ではトヨタやアウディ、テスラなど世界の大手自動車メーカーに相次いで関連製品が採用されているグラフィックIC最大手、米エヌビディアに注目が集まる中、同社創業者で台湾出身の黄仁勲(ジェンスン・フアン、54)最高経営責任者(CEO)に対する関心も高まっている。

 1963年に台南市で生まれた黄氏は、石油会社に勤めていた父親の仕事の関係で小学生の時に家族とともにタイへ渡り、その後9歳で米国へと移住した。母親によると、彼は幼い頃から読書が好きで自分で勝手に本を読んで知識を深め、学校では飛び級を繰り返したという。

 一方で活発でいたずらな一面も持ち合わせており、小学生の頃、兄と一緒にプールに可燃性の液体を流し込み、水面に火を付けて飛び込むといった悪ふざけをして両親にひどく怒られたこともあったそうだ。また運動も得意だったようで、15歳の時に卓球の国際大会、USオープン・ジュニア部門で3位(男子ダブルス)に輝いている。

 そんな黄氏は84年にオレゴン州立大学で電子工学を学んだ後、LSIロジックやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)でエンジニアとしてのキャリアを積みつつ、スタンフォード大学の大学院で学び、92年に修士号を取得。30歳になった翌93年、3人の友人とともにエヌビディアを創業した。

 同社は順調に発展を続け、グラフィックICの分野ではライバルのAMDを抜いて世界最大手にまで成長。現在もゲーミングPCやAIなど新たな分野を開拓するなど勢いに衰えは見えない。

 黄氏の出身地、台湾でも彼の活躍は大きな話題となっており、このほど交通大学から名誉工学博士の称号を授与されることとなった。5日に行われた授与式には、エヌビディアと約25年にわたり協力を続けているファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長も出席した。

/date/2017/06/06/18nvidia_2.jpg張忠謀董事長(前右)は、まだ電子メールがなかったエヌビディアの創業当時、同社に電話すると、「みんな静かにしろ。張董事長から電話があったぞ」という黄仁勲氏(前中)の大声が聞こえ、当初から活気があったことを懐かしんだ(5日=中央社)

 あいさつに立った張董事長は、「黄氏と初めて遭った時、TSMCの売上高は約10億米ドルに達し、エヌビディアは2億~4億米ドル程度だったが、私は当時既に60歳だったのに対し、彼は30歳になったばかりだった」と語った上で、「科学技術の発展にとって中心的な人物であり、エンジニア、商売人、企業家として成功した」と称えた。