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単独登山で遭難、自力で30日ぶり救助要請


ニュース 社会 作成日:2017年6月15日_記事番号:T00071131

単独登山で遭難、自力で30日ぶり救助要請

 南投県から花蓮県を横断する単独登山を計画し、5月に山に入った後、消息を絶っていた男性からきのう(15日)、花蓮県消防局に救助を要請する連絡が入った。男性は登山中、谷に転落して足の骨を折る大けがを負ったが、携帯電話が通じる稜線まで這い上がり、通信に成功したという。ただ梅雨を迎えて悪天候が続く中、ヘリコプターによる救助が困難な上、徒歩で救助隊が駆け付けるには1週間を要する見通しで、男性が持ちこたえられるか懸念される。

/date/2017/06/15/19help_2.jpg救援要員7人が5日かけての救助に向かった(14日=中央社)

 遭難した李明翰さん(29)は昨年、47日間かけて中央山脈を単独で縦走することに成功し、登山界で話題を集めた実力者だ。今回は南投県の能高山から花蓮県の鯉魚潭までを15日間で横断する計画を立てた。

 李さんは入山申請を行った後、5月13日に登山を開始。15日に花蓮県の「牡丹岩」と呼ばれる地点に到着し、携帯電話で家族に無事を知らせた。しかしその後連絡が途絶えたことから、今月4日、花蓮県消防局に通報した。

 これを受けて消防局はヘリを飛ばすとともに救援チームを編成して捜索を開始したが、李さんは見つからず、12日に救援要員は全員下山した。既に梅雨入りし、連日、大雨警報が発令される中、家族の心配は高まるばかりだった。

 そんな中、きのう午前8時前、消防局に李さん自身から救助を要請する電話が入った。彼の説明によると、山道を歩いている際に足を踏み外して谷に転落し、左すねの骨を折り、身動きができなくなったという。そのまま救援を待ったが、一昨日に食糧が底をついたため、這って稜線まで登り、連絡に成功したそうだ。

 彼は現在、稜線で黄色いタープを広げ、寝袋に入って救援を待っているそうだが、食糧や燃料は既になく、大雨が降った場合、体温の低下も心配される。

 消防局は李さんから現在地に関する説明を受けた後、直ちにヘリを飛ばしたが、現場は悪天候で見通しが悪い上、周辺に高い木が密集していることから物資を投下することもできなかった。

 天候のいち早い回復と李さんの体力が持ちこたえてくれることを祈るばかりだ。