ニュース 社会 作成日:2017年6月16日_記事番号:T00071155
連日の大雨で、昨年10月にオープンしたばかりの台中国家歌劇院(ナショナル台中シアター、台中市西屯区)の至る所で雨漏りが起きている。43億台湾元もかけて建設しながら、設計者の伊東豊雄氏に申し訳ないなどと批判の声が上がっている。台中国家歌劇院は現在、正面玄関の左側も雨漏りしているため、右側からしか入退館できない(15日=中央社)
台中国家歌劇院は2009年12月に着工、昨年9月に竣工した。設計を日本の著名建築家、伊東豊雄氏が手掛けており、曲面の壁で建物を支える世界でも例のない構造となっている。このため「世界で最も施工が難しい建物」と呼ばれ、当初は工事の引き受け手が見つからなかったが、最終的に台中市政府の打診を受けた地元の建設会社、麗明営造が担当した。
連日大雨が続く中、14日に同歌劇院を訪れた市民が、駐車場および1階から5階のレストランまで全てのフロアで天井や窓枠部分に雨漏りが見られたと蘋果日報に投書。「数十億元もかけながらこの程度のものしか建てられないとは。これを見たら伊東氏が嘆く」と批判した。
蘋果日報の記者が15日に確認に向かったところ、正面玄関上方に設置された照明施設の隙間から水滴が落下し、入場者を直撃する場面が目撃されたほか、投書内容の通り、全館の複数個所で雨漏りが確認された。
麗明営造の黄明晴副総経理は、曲線ガラスの窓枠の隙間から雨水が流れ込んだ上、排水用の穴からの排出が追い付かなかったため、雨漏りにつながったと説明。建物の主構造には影響しないと強調した上で、改善工事を行うと表明した。
施工が難しい設計とはいえ、多額の税金を投じた事業とあれば当然、市民による監視の目も厳しくなる。早急な改善で批判を最小限に食い止めるしかないだろう。
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