ニュース 社会 作成日:2017年6月19日_記事番号:T00071180
彰化県で昨年末、安全面を考慮して道路沿いの発光ダイオード(LED)街灯を輝度の高いものに全面交換したところ、沿線の水田で稲が発育不良となる光害が発生。近隣小学校では生徒自ら田植えをした実習田で6月末の卒業式前に収穫することが恒例となっているが、今年は他の田んぼを借りて作業を行わざるを得ない状況だ。
LED街灯による光害が起きているのは彰化県二林鎮の水田のうち、コシヒカリ品種の稲を栽培しているエリア。台中区農業改良場の呉以健助理研究員によると、コシヒカリは日照時間が短くなると開花する「短日植物」で、光を受けない時間が十分に取れなければ稲穂の出る時期に遅れが生じるという。
このため明るいLED街灯に交換された二林鎮の道路脇に位置する香田国小(小学校)の実習田では、夜間、街灯の光が当たらない部分は正常に発育、光が当たる部分は稲が高く育っているものの稲穂が出ていない、緑の稲と黄色の稲が混在するというまばらな状態となっている。
このほか同鎮香田里、広興里のコシヒカリ栽培田でも同様の被害が発生しており、稲の発育がまばらになれば、機械での収穫ができなくなるとして農家から多数、苦情が出たため、地元公所(役場)は街灯に覆いをかけるなど対策を講じている。
香田小でも二林鎮公所に対し、改善を要請しているが、今年の卒業生は自分の植えた稲を刈り取ることができずに卒業することになりそうだ。ただ、彼らは人間の行為がいかに生態系に影響を与えるかという実例を身をもって体験できたという意味では、大きな教育的効果があったといえるかもしれない。
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