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米国の鉄鋼輸入制限に懸念、台湾に影響も


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2017年6月23日_記事番号:T00071275

米国の鉄鋼輸入制限に懸念、台湾に影響も

 トランプ米大統領は近く、鉄鋼製品の輸入に関連し、国家安全保障に影響を及ぼす輸入品を規制できる通商拡大法232条(国防条項)の適用に向けた調査結果を明らかにする。保護貿易主義に基づく何らかの国内産業保護策が取られるとみられ、通商摩擦に発展することが懸念されている。台湾は米国の鉄鋼輸入先としては9位だが、米国は台湾にとって最大の鉄鋼輸出先であり、年間176万トン、26億7,000万米ドル相当が輸出されている。このため、台湾鉄鋼業界は米政府の動向を注視している。23日付経済日報が伝えた。

 仮に輸入鉄鋼製品が米国の安全保障に危害を与えているとの判断が示されれば、大統領は議会の承認なしで輸入制限措置を講じることができる。

 中国鋼鉄(CSC)の翁朝棟董事長は「米国の鋼材輸入に対する制裁拡大は、世界的に鉄鋼貿易戦争を起こしかねず、慎重にならざるを得ない」と話した。

 こうした中、米国への生産移転を図る動きもある。めっき鋼材大手、燁輝企業(YP)は、米国に500億台湾元(約1,830億円)を投資して電炉の建設を計画しており、呉林茂総経理は「有利な建設地を検討している」と説明した。テキサス州とルイジアナ州が歓迎意向を示しているという。