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緯創、光宝のディスプレイ部門を買収


ニュース 電子 作成日:2008年4月30日_記事番号:T00007128

緯創、光宝のディスプレイ部門を買収

 
 ノート型パソコン(ノートPC)受託生産大手の緯創資通(ウィストロン)は29日の董事会で、光電関連製品大手の光宝科技(ライトン・テクノロジー)のデジタルディスプレイ部門買収を決定した。これにより、緯創は来年、ディスプレイと液晶テレビとの合計出荷台数が合計で1,000万台以上に上り、製品ラインナップがより多様化する。また、パネルなどの部品調達のコストダウンも期待できる。30日付経済日報が報じた。
 
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 緯創による買収額は92億台湾元(約313億円)で、買収手続きは第3四半期に完了する。緯創が事業譲渡を受けるのは、光宝の在庫、機械設備、知的財産権、従業員の雇用責任で、用地と工場は含まない。

 光宝の昨年のディスプレイ出荷台数は800万~900万台だった。また、緯創の昨年の液晶テレビ出荷台数は70万~100万台だったが、今回の買収を通じて新規顧客の開拓も期待でき、今年は200万台の出荷が見込める。このため同社では、両製品の出荷台数は合計で1,000万台以上となるという見通しを示している。

 緯創はここ数年、製品の多角化を進めており、今回の買収からは、ノートPCを中心に据えつつも、液晶テレビなどのコンシューマ向け製品にも全力を挙げるという意気込みがうかがえる。アナリストによると、ディスプレイの組み立ての粗利益率はわずか1.5%だが、緯創は出荷台数の拡大によって利益拡大を図る戦略だ。

 林進財同社財務長(CFO)は、ノートPC、ディスプレイ、液晶テレビ事業は関連部品を共用でき、調達のコストダウンを図れるとも指摘した。 光宝は近年、ディスプレイ部門の業績が思わしくなく、売却を機に同事業から撤退する。なお、昨年のディスプレイ部門の昨年の売上高は、同社の売上高全体の4割を占める827億5,000万元で、世界シェアは8%で5位だった。

光宝が緯創に出資、関係を強化
 
 緯創は29日、光宝を引受先とし、12億元を上限とする第三者割当増資を実施することも決定した。両社の戦略的提携を強化することがその目的だ。光宝によると、経営参加については未定だという。

 また、緯創は下半期、3億株を上限とする普通株を発行し、資金を調達することも決めた。
 
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売上高で仁宝を追撃
 
 緯創の第1四半期の売上高は、前年同期比65%増の868億元で、純利益は16億7,700万元だった。通年の売上高は4,000億元を大きく上回る見通しだ。来年は5,000億~6,000億元まで伸び、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)に迫る可能性もある。

 同社のノートPCの今年の出荷台数は、当初予測が1,500万台だったが、林財務長は、需要が好調なことから2,000万台を狙えるとしている。ノートPCが売上高全体に占める割合は75%に達する見通しだ。ただ、製品の多角化により、来年のノートPCの売上比率は全体の6割程度まで下がるもようだ。