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半導体12インチテストウエハー争奪戦、中国勢が攻勢


ニュース 電子 作成日:2017年6月26日_記事番号:T00071294

半導体12インチテストウエハー争奪戦、中国勢が攻勢

 半導体用シリコンウエハーの需給逼迫(ひっぱく)が世界的に顕著となる中、中国半導体メーカーが、台湾積体電路製造(TSMC)を20%上回る調達価格を提示して12インチテストウエハーの確保に力を入れている。10ナノ、7ナノメートルといった最先端の製造プロセスの導入過程では、必要なテストウエハーの量が過去のケースを大きく上回っており、7ナノ導入でサムスン電子と競争するTSMCにとって、中国勢の積極的な調達は懸念材料となりそうだ。26日付電子時報が報じた。

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 サプライヤーによると、力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)と安徽省合肥市の合弁子会社、合肥晶合集成電路やメモリーの睿力集成電路といった下半期に新規稼働を予定する中国半導体メーカーが、テストウエハーの調達に90米ドル以上をオファーしている。これはTSMCの下半期の調達価格(75~80米ドル)に対し、最大で20%以上の上乗せとなっている。

 以前、量産向けウエハー価格が約70米ドルの時は、テストウエハー価格は約50~60米ドルにすぎなかったが、最近は量産向けを逆転した。

中国新規工場で需要拡大

 業界関係者は、工場稼働初期の試験生産段階や先進プロセスへの移行時には、非常に多くのテストウエハーが必要だと指摘。中国では12インチウエハー工場設置が相次いでいる上、10、7ナノプロセスは従来の先進プロセス移行時と比較し、テストウエハーの消費量が桁外れに多く、12インチテストウエハーの供給不足を招いていると話した。

 サプライヤーは、中国での新工場設置計画が相次いでいるものの、実際に計画通りに稼働が進むか不透明なため、ウエハーメーカーは中国ファウンドリーとの契約に慎重だと指摘。一方で、中国メーカーが価格を上乗せして、費用を前払いすれば中長期にわたる契約締結もあり得ると話した。

 市場調査会社、ガートナーは、中国で2016~19年に建設される半導体工場は20カ所に上ると予想。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は、17~20年に26カ所と予想しており、今後もウエハー需要の高止まりは必至だ。

下半期も上昇傾向

 ウエハー市場では3四半期連続で価格が上昇しており、第3、4四半期も引き続き上昇傾向が続くとみられる。

 DRAM/NANDフラッシュメモリーの生産に使われるポリッシュドウエハーの価格は20%、ロジックメモリーの生産に使われるエピタキシャルウエハーは15%上昇すると予想される。

【図】