ニュース 社会 作成日:2017年6月27日_記事番号:T00071343
台湾鉄路(台鉄)台中駅前の地下道は30メートルほどの区間に50人以上の「街友(浮浪者)」が段ボールなどの根城を構えており、まさに「ホームレス通り」といった状態となっている。背景には地下道で雨風がしのげるという理由のほか、台中市は他県市に比べ、市政府やボランティアによる浮浪者支援体制が充実していることがあるようだ。
ある浮浪者によると、この地下道には日ごろからボランティア活動関係者によって、滷肉飯(豚バラ肉のそぼろかけご飯)やハンバーガー、寒い冬には温かいスープやしょうが湯が配布されている他、春節(旧正月)には紅包(お年玉)が配られるという。今年は合計6,200台湾元もの紅包を手にした者もあったが、当人はすぐに宝くじやギャンブルに使ってしまったそうだ。
「手厚い支援が受けられる」といううわさを聞きつけ、台中市には台湾全土から浮浪者が集まってきているようで、台中市社会局によると、同市が把握している浮浪者232人のうち、市外からやって来た者が60%以上を占めるという。
一方で、支援が手厚いことが、浮浪者が現在の状況から抜け出せない要因になっているとの批判の声も上がっている。このため台中市では現金や食べ物を提供するのではなく、清掃などの仕事を紹介して、報酬を支給する方式を導入。今年1月には就業意欲を持つ浮浪者に対し、半年間、寝泊まりする場所を無償提供する「街友自立支援センター」も開設した。
元旋盤工のある浮浪者は、就業意欲はあるものの、吃音のため人とのコミュニケーションが苦手だったこともあり職に就けずにいたが、2年前に市政府を通じて街の清掃活動に参加。これにより数万元を貯金して旋盤の技能訓練を受け、再就職に成功した。
切迫した状況にある者には当然、食べ物などの現物支援が必要となるが、施しに頼らず自立して生きていくことを手助けすることこそが本当の支援と言えるだろう。
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