ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

LGD8.5世代工場で操業停止、台湾勢に転注か


ニュース 電子 作成日:2017年6月28日_記事番号:T00071346

LGD8.5世代工場で操業停止、台湾勢に転注か

 韓国LGディスプレイ(LGD)の第8.5世代液晶パネル工場(京畿道坡州市)の「P8-1」で24日、労災死亡事故が発生、原因調査のため最短2週間、最長1カ月にわたり、同生産ラインの操業が停止される見通しとなった。これによりガラス基板投入枚数5万~6万枚の減産が予想され、友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)が転注を獲得するとみられる。今月に入りやや下落した液晶パネル価格が、早ければ7月に反発しそうだ。28日付蘋果日報が報じた。

/date/2017/06/28/01panel_2.jpg

 今回の死亡事故は、トラブルが発生した生産ラインの点検・整備中にエンジニアが機械に挟み込まれたもので、病院への搬送中に死亡した。

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーは第3四半期の液晶パネル価格について、需要期入りに加え、今回のP8-1操業停止によって下支えされると予想。台湾メーカーを含め全てのパネルメーカーの業績向上につながると指摘した。

ソニー販売シェアにも影響か

 市場調査会社IHSマークイットの謝勤益(デビッド・シェイ)ディスプレイ研究総経理は、

LGDの坡州8.5世代工場の月産能力はガラス基板投入枚数27万枚で、うちP8-1は8万枚と説明。操業停止期間にもよるが、2週間の生産停止ならば3万枚の減産になると予想した。

 謝総経理によると、P8-1ではテレビ用とモニター用の液晶パネルを生産しており、うち9割がテレビ用だ。主要生産サイズはテレビ用が32、49、55、65インチ、モニター用が21.5、23.8、27インチ。このうち、テレビ用の55、65インチ、モニター用の23.8、27インチは需給が逼迫(ひっぱく)しており、7月の出荷に影響が出るとみられる。

 LGDの液晶パネルの主な出荷先は、ソニー、パナソニック、LGエレクトロニクス。ソニーとLGは現在ハイエンド液晶テレビ市場で首位を争っており、LGDの今後の出荷状況がシェアを拡大できるか否かの重要なポイントとなりそうだ。一方ハイエンド市場で3位のサムスン電子は、LGDから7~8月に入荷するのは43インチで、ハイエンド向けではないため影響はなさそうだ。

需給逼迫が悪化

 業界関係者は、P8-1の月産能力をガラス基板投入枚数13万枚、操業停止を2週間として試算すると、液晶パネルの減産規模は▽32インチ、10万枚▽49インチ、15万6,000枚▽55インチ、11万3,000枚▽65インチ、10万枚──と予測。液晶パネル市場で続く需給逼迫状態が、今後さらに深刻化すると予想した。

【表】