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上場企業の上半期売上高、電子けん引し過去最高に


ニュース 電子 作成日:2017年7月11日_記事番号:T00071592

上場企業の上半期売上高、電子けん引し過去最高に

 上場企業1,627社の上半期売上高が10日出そろい、全社の合計売上高は前年同期比4.29%増の14兆8,200億台湾元(約55兆円)で同期として過去最高となった。好調な世界景気を背景に、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)向けの需要も取り込んで半導体が成長、液晶パネルなどをはじめとした電子部品も、アップルのスマートフォン次期機種「iPhone8」向けの需要が始まったことを受けて好調で、電子関連が全体をけん引した。アップル効果は第3四半期以降、さらに顕著になるため、今年は通年でも高い数値が見込まれる。11日付工商時報などが報じた。

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 上場企業の6月売上高は前月比7.72%増、前年同月比4.74%増の2兆6,500億元で、同月の過去最高を記録、足元の好調さがうかがえる。

 半導体は上半期、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の売上高が4,477億7,000万元で前年同期比5.3%増となった。エヌビディア、クアルコム、深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)などからの高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング、HPC)チップや、ロー~ミドルエンドスマホ向けチップの受注が貢献した他、IoTや車載向けマイクロコントローラ(MCU)、通信、産業用コンピューター(IPC)関連のチップの出荷が伸びた。

 また、IoTやAI向けのメモリー需要で、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)が前年同期比6%増の218億3,600万元を計上、DRAMの南亜科技も前年同期比28.6%増の248億5,600万元となった。

 液晶パネル業界も、首位の友達光電(AUO)が前年同期比14.4%増の1,729億6,900万元を計上し、需要拡大の恩恵を受けた。ノートパソコン業界も、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)が同14.3%増の4,632億8,100万元、緯創資通(ウィストロン)が同28.6%増の3,617億5,600万元と好調だった。

ラーガン、6月が今年最高に

 アップルサプライチェーンでは、スマートフォン用カメラレンズ世界最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)が221億2,100万元で前年同期比20.78%増だった。6月売上高は前年同月比7.35%増の38億5,900万元で今年最高となり、iPhone8の需要取り込みが始まったとみられる。

 TSMCも6月売上高が前月比15.6%増、前年同月比3.4%増の841億8,700万元で今年2番目となり、同様の傾向が見て取れる。

 アップル供給網の代表格で台湾企業で売上高規模首位、鴻海精密工業の上半期売上高は1兆8,900億元で前年同期比0.7%増とプラス成長を維持した。6月売上高は前月比12.61%増、前年同月比3.32%増の3,151億4,000万元で、前年同月比成長率は上半期の全体平均を上回った。

 iPhone8は9月中旬に発表が予想されており、3社を含む電子業界の下半期の業績拡大を導くとみられる。

 ラーガンについて証券会社は、下半期売上高は上半期比で66%増と予測する。TSMCはiPhone8用プロセッサー「A11」の出荷を今月中旬から本格化させる見通しで、証券会社は、第3四半期売上高は前期比15~20%増と予測。鴻海も7月中旬から組み立ての量産体制に入るとみられ、通年売上高は前年を大幅に上回りそうだ。

鉄鋼が2割増収

 電子以外の分野の上半期売上高は、鉄鋼部門が前年同期比20.17%の伸びを記録した。電気・ガス供給が13.84%増、化学工業が13.57%とこれに続いた。

【表】