ニュース
社会
作成日:2008年5月2日_記事番号:T00007161
釣り竿をひと振り、おぼれる男性を救助

4月30日の午後11時頃、花蓮市南浜公園の海岸で貝殻を拾っていた男性、李世琦さん(40)は、突然押し寄せた大波に巻き込まれ、海の中へ流されてしまった。
その時、砂浜でバーベキューをしながら釣りを楽しんでいた林国宝さん(36)ら3人の男性が、大声で助けを求める李さんの声を聞きつけ、海岸から50メートルほど離れた海中に人がおぼれているのを発見。
林さんはとっさのひらめきで、手にしていた釣り竿を李さんめがけてさっとひと振りした。1回目、2回目は失敗。3回目にしてやっと釣り針を李さんの襟に引っ掛けるのに成功した。李さんを海岸から約20メートルまで引き寄せたところで、3人で海に入り岸へ引き上げた。
李さんは既に意識がなかったが、10分間の心肺蘇生法(CPR)を施され、救急車で病院へ。肺に水がたまっているため、集中治療室で治療を受けているが、意識は回復。釣り人に助けられて一命を取り留めたことを知り、感謝の意を表すようにうなずいたという。
釣り竿で人助けをした林さんは自動車の板金職人で、釣り歴25年。8年前、桃園県の海岸でおぼれている2人の女児を発見し、釣り竿で助けようとしたが救助できなかった経験がある。今回は無事に人命救助ができ、「長年訓練してきた釣りの技術が役に立ってよかった」と語る。
林さんが今回使っていたのは、8尺の釣り竿に10号の釣り糸、13号の釣り針。中華民国磯釣協会によると、この装備なら重さ18~24キロの魚を釣り上げることができ、体重70~80キロの海中に浮かんでいる人間を引っぱることができるという。