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作成日:2008年5月2日_記事番号:T00007162
パプアとの国交樹立交渉、密使が3000万ドル着服
外交部が2006年にパプアニューギニアとの国交樹立に向けて秘密交渉を行った際、密使役を務めたシンガポール籍の呉思材容疑者らがパプアニューギニアへの技術支援費用として台湾側から受け取った3,000万米ドル(約10億台湾元)を着服していた疑いが浮上し、最高検察署特別偵査組(特捜部)が捜査に着手したことが分かった。2日付中国時報などが伝えた。
秘密交渉は「慶寧専案」というコード名で呼ばれ、呉容疑者と中華顧問工程司副董事長を務めた民間人の金紀玖容疑者が仲介役を務めていたとされる。呉容疑者は4月25日に出頭し逮捕されたが、米国籍の金容疑者の行方は分かっていない。
外交部は邱義仁行政院副院長の指示を受け、資金を呉思材氏がシンガポールに開設した口座に送金した。その後、台湾がパプアニューギニアとの国交樹立交渉を中断したため、それまでの必要経費20万米ドルを差し引いた1,980万米ドルの返還を求めたが、2人は応じなかった。
外交部は2人がシンガポールに開設した銀行口座の凍結をシンガポール高裁に申し立て、既に認められている。
送金を指示したとされる邱副院長は2日午前、記者会見を開き、金容疑者を外交部に紹介したのは確かに自分だと認めた上で、「最大限の責任を負いたい」と強調した。