ニュース 電子 作成日:2017年7月13日_記事番号:T00071647
国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は12日、台湾の2017年の半導体製造装置への投資額は127億3,000万米ドル(前年比4.1%増)となり、韓国の129億7,000万米ドル(前年比68.7%増)に抜かれて2位となり、5年間守ってきた首位の座から転落するとの見通しを示した。さらに来年は急成長する中国に抜かれて3位に順位を落とす予測だ。韓国は大手が3D(3次元)構造NAND型フラッシュメモリーを増強、中国では各地で12インチウエハー工場の建設が計画されており、台湾積体電路製造(TSMC)1社が大部分を支える台湾は成長に限界がある。13日付工商時報が報じた。
17年製造装置、過去最高へ
SEMIによると、17年の世界全体の半導体製造装置投資額は前年比19.8%増の494億2,000万米ドルと、IT(情報技術)バブル時の00年の477億米ドルを上回り、過去最高となる予測だ。
製造装置別では、▽ウエハープロセス用処理装置、398億米ドル(前年比21.7%増)▽テスティング(検査)装置、39億米ドル(6.4%増)▽パッケージング(封止)装置、34億米ドル(12.8%増)▽ウエハーやフォトマスクなど前工程装置、23億米ドル(25.6%増)──。
18年の半導体製造装置の投資額についてSEMIは、台湾は108億7,000万米ドル(前年比14.6%減)とマイナス成長に転じる一方、韓国は133億8,000万米ドルと台湾との差を広げつつ首位を維持、中国は110億4,000万米ドル(約61.4%増)と大幅成長して2位に浮上すると予測した。
台湾、設備投資緩慢に
台湾メーカーでは、TSMCが今後数年間100億米ドル以上の設備投資を維持する計画だ。7ナノメートル製造プロセスの生産能力増強、EUV(極紫外線)露光技術を用いた製造プロセスの導入、5ナノ工場計画などを進める。一方、同社が中部科学工業園区(中科)で導入する製造装置は10ナノと7ナノの両工程に対応可能で、7ナノに移行しても製造装置更新の必要がないため、今後製造装置への投資額は緩慢になるとみられる。
TSMC以外の台湾メーカーの設備投資は、ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)が年20億米ドル前後、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手の日月光半導体製造(ASE)が年10億米ドル以下で、規模はTSMCと比べてかなりの差がある。
韓国、3D NANDを拡充
韓国では、メモリー世界大手のサムスン電子とSKハイニックスが、3D NAND型フラッシュメモリーの生産能力拡充と、DRAMの先端プロセス転換に注力する。また、サムスンが7ナノでEUV露光技術を導入するなど、製造装置への投資額の成長が続く。
中国では、▽TSMC南京工場▽UMCアモイ工場▽力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)合肥合弁工場──といった台湾メーカーの他、▽中芯国際集成電路製造(SMIC)▽武漢新芯集成電路製造──などの地場メーカー、▽インテル▽グローバルファウンドリーズ▽サムスン▽SKハイニックス──など海外大手も12インチ工場の建設を推進しており、製造装置への投資額が急増するとみられる。
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