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警察の誤認逮捕で有罪、10年かけて潔白証明


ニュース 社会 作成日:2017年7月13日_記事番号:T00071670

警察の誤認逮捕で有罪、10年かけて潔白証明

 新北市に住むある女性は10年前、身に覚えのない交通事故を起こした容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。しかし判決を全く受け入れられないため、これまで7度にわたり再審を請求。その結果、高等裁判所での控訴審でこのほど、警察がバイクのナンバーを誤認していたことが判明。無罪となり、ついに身の潔白を証明することに成功した。

 判決文によると、台北市の水源市場(中正区)近くの交差点で2007年9月26日午後5時ごろ、当時69歳だった女性が道路を渡ろうとしたところ、通りかかったバイクに追突されて転倒。左肩と腰をけがした。バイクの運転手はそのまま走り去ったが、目撃者がナンバープレートの番号を覚えており、間もなく駆け付けた警察官に伝えた。

 警察はこの情報を基に捜査を進め、バイクの持ち主である女性を突き止めて、過失傷害およびひき逃げの容疑で逮捕、起訴した。

 しかし、被告となった女性は裁判で、事故発生当日の午後3時~8時まで現場から3キロメートル以上離れた別の市場の露店で店番をしており、事件とは無関係と主張。また目撃者の証言では、事故を起こしたバイクのカラーは白と黄色だったのに対し、彼女のバイクは赤色だと食い違いを指摘し、ナンバーについては当時雨が降っており、既に暗くなっていた時間帯のため見間違えた可能性があると訴えた。

 これを受けて一審では被告にアリバイがあるとして無罪判決が下されたが、その後の控訴審では2人の目撃者が「ナンバーははっきりと覚えていた」と見間違いではないと証言したこと、および被告の携帯電話の信号記録から当時、彼女が市場を離れていた可能性が浮上し、一転して有罪判決が下された。

 しかしそれでも被告女性は潔白を証明しようと、独学で法律を学びつつ、控訴し続けた。そして7度目の再審で、当時の捜査記録から目撃者が警察に告げた事故車両のナンバーは「DMX」から始まっており、彼女のバイクの「DNX」とは異なっていたことが判明。これが決め手となりついに無罪を獲得した。

 とはいえ、失った10年間は取り返すことはできない。警察や裁判所がもう少し丁寧に仕事をしていれば彼女の人生が狂わされることはなかったとはずで、やり切れない思いだ。