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ハトのふん害深刻化、「避妊薬」で繁殖抑制


ニュース 社会 作成日:2017年7月14日_記事番号:T00071692

ハトのふん害深刻化、「避妊薬」で繁殖抑制

 台北市の一部エリアで、増えすぎた野生のハトのふんや羽毛が衛生環境を悪化させていると問題になっており、同市動物保護処(動保処)は13日、ハトに避妊効果のあるエサを与えることで個体数の減少を目指す「節育計画」を推進すると発表した。台湾初の試みで、まず中正区の中央芸文公園で試験的に実施される。

 試験地に選定された中央芸文公園や近隣の華山1914文化創意産業園区(華山1914クリエーティブパーク)には広い芝生が広がるほか、すぐそばを市民大道の高架部分が通っていて雨風をしのげるため、周辺エリアには多数のハトが生息しており、その数は最大500羽に上ると推定されている。

 ハトが増えすぎたため、周辺住民は外出する際にふんの空襲に見舞われないよう常に空を見上げて歩くことを余儀なくされており、運動をしたり、ペットを散歩させるにも離れたエリアまで出向いている状況だという。

 また大量の羽毛が辺りに舞い環境を汚しているほか、ハトが鳥インフルエンザや髄膜炎などの感染症をもたらすのではないかとの不安も高まっている。

 しかも市民の中には公園などでハトにエサを与える者もあり、事態を悪化させる要因となっている。このため住民らはこれまで何度も市当局に対し、これらの行為を取り締まるよう陳情を行ってきたが、同エリアは観光客も多く、エサやりは後を絶たないという。

 こうした中、動保処が中央芸文公園で進める「節育計画」は、日の出から3時間以内に受精を抑制する効果を備えたエサを専用の機械で散布し、これを継続して食べさせることでハトの個体数を減らすことを狙う。同様の計画は海外でも実施例があり、米国やイタリアではハトの数が半分に減ったとの報告もある。

 ちなみに今回の計画で使用されるエサはハト専用に配合されており、他の鳥が口にすることはない上、散布時には係員が常駐して他の鳥が誤って口にしないよう監視を行う。また、エサの避妊効果は永続的なものではなく、摂取を止めて4~6日で正常な生殖能力が回復するそうだ。

 動保処は、中央芸文公園での試験で効果が上がれば、他のエリアにも範囲を拡大したい考えだ。