ニュース 社会 作成日:2017年7月18日_記事番号:T00071745
台南地方法院で17日、離婚調停を済ませた後、裁判所から出てきた妻とその弁護士を夫が車ではね、弁護士が死亡する事件が発生した。夫は調停の際、弁護士が責めるような態度を取ったことや、歩いている2人が楽しそうな様子だったことにカッとなって脅そうと考えたが、殺すつもりはなかったと供述している。
洪当興容疑者(44)と妻の李怡慧さん(44)は2004年に結婚した後、彰化県に居を構え、2人の子供をもうけた。この夫婦はもともと生活に対する考え方や性格が合わなかったらしく、一昨年に洪容疑者が勤め先を解雇されたことをきっかけに李さんは桃園市の実家へ戻り、別居生活が始まった。一方、洪容疑者は台南市で友人と弁当屋を共同経営。子供2人は彼の両親が面倒を見ていた。
昨年9月、2人は離婚手続きを進めようと戸政事務所を訪れたが、李さんが考えを変え、手続きは取りやめとなった。ただ、その後も別居生活は続いたため、洪容疑者は今年5月末、生活の不一致、経済的困窮などを理由に台南地方法院に離婚調停を申し立て、17日に調停が行われることとなった。
同日午後2時半から行われた調停には、裁判官と夫婦のほか、妻側の黄政雄弁護士(44)が同席。約1時間の話し合いの結果、互いに財産分与を求めないことで合意。子供の養育権については後日裁判所の判断を仰ぐことが決まった。
台南地院の裁判官によると、話し合いは平和的に行われ、双方が感情的になるようなこともなかったという。しかし調停が終わり、李さんと黄弁護士が裁判所の建物から出て敷地内の道路脇を歩いていたところ、洪容疑者が運転していたミニバンを背後から2人に衝突させた。黄弁護士は全身を強く打ってその場で死亡。李さんも重傷を負い、現在も危険な状態が続いているという。
洪容疑者は警察の取り調べに対し、調停中、黄弁護士の責めるような態度が気に入らなかった上、2人が楽しそうに話しながら歩いている姿を目にして怒りがこみ上げてきたと供述している。
また、「脅そうとしただけで殺すつもりはなかった」と語っているが、2人にぶつかった後も車にブレーキを掛けた形跡が見られなかったことなどから、警察は殺害の意図があったとみて殺人罪容疑で送検した。
裁判所の敷地内で弁護士が殺害されるというショッキングな事件を受け、法曹界関係者は市民の間で司法を尊重する姿勢が薄れつつあると指摘。洪容疑者に死刑または無期懲役の厳罰を科さなければ、恨みのある相手に訴訟を起こし、裁判所に呼び出して報復するといった模倣犯が現れかねないと懸念を示した。
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