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漁船の海洋ごみ回収隊結成、斉柏林監督との約束果たす


ニュース 社会 作成日:2017年7月19日_記事番号:T00071772

漁船の海洋ごみ回収隊結成、斉柏林監督との約束果たす

 新北市で先週、市内の漁会(漁協)が提供する漁船による海洋ごみ回収チーム「藍海艦隊」の結成式が行われた。同チームは、海の生物や漁業に深刻な影響を及ぼす海洋ごみ問題の改善を目指すものだが、結成には環境問題をテーマとする空撮ドキュメンタリー映画『看見台湾』(2013年、邦題・天空からの招待状)の監督で、6月にヘリコプター墜落事故で死去した斉柏林監督にまつわるエピーソードが隠されていた。

 市政府は今年5月、藍海艦隊の結成を発表した際、斉監督に連絡を取り、チーム結成当日に空撮を行い、海洋ごみによる環境汚染の深刻さを市民に知らせてほしいと要請していた。斉監督はその後、事故で亡くなってしまったが、市政府は監督との約束を果たすべくチームの結成にこぎつけた。

 海洋ごみ回収チームには、新北市淡水区、金山区、万里区、瑞芳区、貢寮区の漁会から約50隻の漁船が参加。これら漁船に同市環境保護局(環保局)が提供するごみ分別フレームを設置し、魚と一緒に網にかかったごみを分別して港に持ち帰り、港内の回収施設へ届けるという仕組みとなっている。

 漁師たちは今まで、漁でごみを拾った場合、そのまま再度海へ捨てていたが、縄などのごみが引っかかって漁船が動かなくなるといった事態も起きており、漁師の間でもごみを減らしたいとの気持ちが高まっているようだ。

 なお新北市では、届けたごみの種類や重さに応じて漁師にポイントが与えられ、一定の点数が貯まると専用のごみ袋やティッシュ、洗剤などと交換できる制度を設けている。こうした措置により漁師たちの参加意欲を高め、今年末には藍海艦隊の規模を200隻まで拡大したい考えだ。