ニュース 社会 作成日:2017年7月20日_記事番号:T00071803
台北市士林区から陽明山へ向かう主要道路、仰徳大道で19日午前、坂道を下っていたセメント運搬車が前方の車に猛スピードで衝突。22台の車とバイクを巻き込む玉突き事故に発展し、4人が死亡、9人が負傷する大惨事となった。仰徳大道は坂とカーブが多く危険な道路として知られ、1987年から今年6月末までに少なくとも54人の死者を出している。
警察の調べによると、事故を起こしたセメント車は19日朝、陽明山の工事現場に向け、運転手と2人の助手を乗せて新北市淡水区を出発した。途中、陽明山国小に近い仰徳大道125巷の下り坂に差し掛かったところでブレーキが効かなくなり、そのまま時速70キロメートルで約500メートル進んだ末、赤信号を無視する形で交差点に進入。交差点を横切ろうとしたSUV(スポーツ用多目的車)に激突した。
総重量約20トンのセメント車に車体をぶつけられたSUVは、対向車線まで突き飛ばされ、信号を待ってた車やバイクに相次いで衝突した。この事故でセメント車の運転手(42)とSUVの運転手、SUVにぶつかったバイクに乗っていた2人が死亡、9人の負傷者を出した。
事故現場には巻き込まれた多数の車両が積み重なり、さらに道路沿いの住宅約10軒が破損するなど、その惨状に目撃者は「まるで地獄のようだった」と語った。
仰徳大道の周辺住民は、2年前にも同じ場所で事故があったが、今回の方が被害が深刻だと語った(19日=中央社)
途中でセメント車から飛び降り、難を逃れた助手の1人は警察に対し、事故当時、運転手が「ブレーキが効かない」と大声を上げた後、車がみるみるうちに加速したため、怖くなって飛び降りたと話した。もうひとりの助手は、運転手はフットブレーキとハンドブレーキをかけ続けたが効果はなく、クラクションを鳴らすほか手立てがなかったと語った。
セメント車の運転経験を持つドライバーは、下り坂でブレーキをかけ過ぎたことで、ブレーキが効かなくなる現象が起きたとみられ、運転手は気が動転して街路樹などに車体をぶつけてとめるといった措置が取れなかった可能性があると指摘した。
仰徳大道では古くは69年、蒋介石元総統、宋美齢夫妻を乗せた乗用車が追突事故に遭い、蒋総統はこれを境に身体が衰弱し、寿命を縮めたといわれている。また、87年には観光バスが仰徳大道から転落して22人死亡、94年には路線バスががけに衝突して13人が死亡するなど、大勢の人が亡くなる悲劇が相次いだ。
過去に仰徳大道では発生した死亡事故は、ブレーキの制御不能やスピードの出し過ぎでカーブが曲がりきれなかったことが原因となっている。このため警察では最高速度を40キロに制限、追い越しを禁止するなどの対策を講じているが、違反者は後を絶たないようで、今後は取り締まりをさらに強化する方針だ。
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