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自撮り中の転落死、保険金目当ての自殺か


ニュース 社会 作成日:2017年7月21日_記事番号:T00071828

自撮り中の転落死、保険金目当ての自殺か

 今年4月、桃園市の山間部で家族とドライブ中の女性が、休憩時にコンクリート柵に腰掛けて美しい景色を背景に自撮り写真を撮ろうとしたところ、バランスを崩して高所から転落して死亡した事故が起きたことは本欄でもお伝えした。しかしこの事故、実は保険金目当てに女性自身と家族が画策した自殺だったことが濃厚となった。

/date/2017/07/21/19murder_2.jpg逮捕された夫の陳政賢容疑者(中)。葉容疑者の自殺は彼女が計画したのか、陳容疑者が教唆したのかが捜査の重点になりそうだ(20日=中央社)

 事故当時の報道によると、死亡した葉治萍容疑者(50)は昨年12月に再婚したばかりの夫、陳政賢容疑者(44)および前夫との間にできた息子で次男の陳俊宏容疑者(22)の3人で桃園市の山間部に位置する復興区ドライブに出掛け、途中で車に酔ったため道路脇で一時休憩。その際、彼女は美しい景色に感動し、道路を渡って対面の歩道へ向かい、コンクリート柵に腰掛けてスマートフォンで自撮りをしようとした。しかし、その際にバランスを崩して12メートル以上の高さから落下し、全身を強く打って死亡したとされていた。

 当時、夫と息子はメディアに対し「今年は母の日が祝えなくなった」などと悲痛なコメントを残していた。しかし、悲しみに暮れていたはずの夫は、事故翌日に早くも保険金受け取りの手続きを申請しており、これが警察の注意を引くこととなった。

 警察の調べによると、葉容疑者はかつて投資の失敗により3,000万元以上の借金を負っていたことが判明。その後、昨年8月に前夫が事故で溺死し、1,024万元の保険金を手にしたもののすぐに使い切っており、さらに同年11月、彼女は自身に3,400万元の保険をかけていたことが分かった。翌12月に陳容疑者と再婚し、保険金の受取人を息子から夫に変更していた。

 そして葉容疑者は今年4月24日に死亡したというわけだが、警察が監視カメラの映像を調べたところ、一家3人は前日にも事故現場を2度にわたり訪れていたことが明らかとなり、葉容疑者のスマホにはその時に撮った写真が複数保存されていた。自作自演の自殺の下見だった疑いが濃厚だ。

 こうした状況から警察は事故に見せかけた自殺で不正に保険金をだまし取ろうとした可能性があると判断し、夫と息子から事情を聞いたところ、息子は「母は乳がんを患って死にたがっており、母を殺したと言われないよう事故に見せかけた」と認めたため、2人を文書偽造および詐欺未遂などの容疑で逮捕した。

 また昨年死亡した葉容疑者の前夫は、それまで2度も生命の危機にかかわる事故に遭い、重傷を負っていた上、いずれの事故にも陳政賢容疑者が関わっていたことが明らかとなり、こちらについても改めて捜査が行われている。