ニュース 電子 作成日:2017年7月24日_記事番号:T00071830
24日付工商時報によると、アップルは蒸着方式の有機EL(OLED)パネル製造装置を韓国の設備メーカー、Sunic Systemから購入し、台湾でフレキシブル有機ELパネルの研究開発(R&D)を進めるとの市場観測が出ている。スマートフォンiPhone10周年記念モデルのiPhone8は有機ELパネルを搭載するとみられているが、アップルがこれまでに有機ELパネルを認定したのはサムスン電子1社のみ。スマホで最大のライバルでもあるサムスンへの依存を回避できれば、今後の製品開発において大きなプラスとなる。
アップルは、腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「アップルウオッチ」にフレキシブル有機ELパネルを搭載したのに続き、iPhone8をはじめ来年からiPhoneに有機ELパネルを全面搭載するとみられている。ただ、アップルにパネルを供給するメーカーは通常2~3社だが、有機ELパネルで認定を受けたのはサムスン1社のみだ。
有機ELパネル市場の供給不足に加え、ライバルでもあるサムスンに有機ELパネルの技術や供給量で依存することを嫌気し、アップルは自社でフレキシブル有機ELパネル開発を進め、複数のパネルメーカーと提携する構えのようだ。
製造装置もほぼ独占市場
有機ELパネル製造装置は、キヤノントッキがほぼ独占している。精度が高いため、アップルもiPhoneのパネルはキヤノントッキの有機ELパネル製造装置の使用を指定するとみられていた。
サムスンは今年キヤノントッキの有機ELパネル製造装置を5台購入し、来年はキヤノントッキが製造する予定の10台のうち5台を予約している。
LGディスプレイ(LGD)は今年キヤノントッキから有機ELパネル製造装置を2台しか購入できず、Sunic Systemからも有
機ELパネル製造装置を購入したが、アップルの認定を受けられていない。
このほか、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)も今年キヤノントッキの有機ELパネル製造装置を1台購入する。
一方、ジャパンディスプレイ(JDI)は、JOLED(ジェイオーレッド)の印刷方式の有機ELパネル製造装置で開発中だ。ただ財政面が問題で、有機ELパネルの大規模な投資は困難とみられている。
シャープは、親会社の鴻海精密工業が有機ELパネルも不可欠と宣言したが、現在はアップルのiPadやマックブックに搭載するIGZO(酸化物半導体、イグゾー)パネルに注力しているようだ。
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