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小売業の上半期売上高、中国人客4割減でも高水準


ニュース その他分野 作成日:2017年7月25日_記事番号:T00071855

小売業の上半期売上高、中国人客4割減でも高水準

 経済部統計処が24日発表した小売業の上半期売上高は2兆39億台湾元(約7兆3,400億円)で、同期としては過去最高を記録した昨年に次いで2番目に高かった。前年同期比0.4%減と、金融危機の影響を受けた2009年以降で初のマイナス成長を記録したものの、購買力に定評がある中国人観光客が4割減った中で健闘したと言える。中国人観光客の要素を除けば、上半期の小売業売上高は前年同期比0.5%増となる。25日付工商時報が報じた。

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 同紙は小売業の上半期売上高について「小売りマイナス成長、金融危機以降で初めて」と大きく報じたが、民進党政権に批判的な立場を反映させたとみられ、台湾域内消費全体が悪化したとは言えない。上半期は輸出受注総額が同期過去最高、上場企業の売上高も同期過去最高、株式市場の加権指数が27年ぶりの高値を付けるなど、好調な経済が各種経済指標に反映しており、小売業売上高も良好な数字だった。

百貨店・免税店に直撃

 上半期売上高が前年同期比で微減となった原因について、統計処の王淑娟副処長は「中国人観光客」と断言。上半期の中国からの訪台客は210万9,893人(交通部観光局)で、前年同期比40%減だった。東南アジアや韓国からの訪台増加で観光客全体では5.7%の減少にとどまったものの、中国人は購買力が高く、他国からの旅行客が増えても中国人消費の減少分は補えないと指摘した。

 中国人客減少の直撃を受けたのは百貨店と免税店で、百貨店は高級家電、ブランド品などが不振となり、上半期売上高は1,531億元と前年同期比2%減少した。免税店などは832億元で5.5%減だった。

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 百貨店別では、▽遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)、前年同期比5%減▽太平洋崇光百貨(太平洋そごう)、3%減▽新光三越百貨、2%減▽微風広場(ブリーズセンター)、微減──と、前年同期比で軒並み減収となった。百貨店関係者は、中国人要因以外にも、今年は暖冬で衣料品の売れ行きが落ちたことを挙げた。化粧品と飲食関連以外は不調だったという。

飲食業売上高、過去最高に

 飲食業の上半期売上高は2,249億元で前年同期比2.7%増と、上半期としての過去最高となった。卸売業の上半期売上高は4兆7,861億元で前年同期比5.1%増だった。

 6月単月の売上高は、▽小売業、3,299億元(前月比2.4%減、前年同月比1.8%減)▽飲食業、365億元(4.8%減、0.2%増)▽卸売業、8,519億元(4.9%増、5.7%増)──と、小売業以外は前年比でプラス成長だった。

 統計処は7月の展望について、小売業は前年同月比0.9%減と引き続き前年割れになると予想。飲食業は0.7%増、卸売業は6%増とプラス成長維持を予測した。

【図】【表】