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ライブ配信者20万人に、2割が未成年


ニュース 社会 作成日:2017年7月25日_記事番号:T00071879

ライブ配信者20万人に、2割が未成年

 ライブ動画配信アプリの普及に伴い、誰もが自由にリアルタイムで動画を配信、放送できるようになる中、台湾でも自分のライブチャンネルを開設するユーザーが20万人を超えているとされる。しかし児童福利聯盟文教基金会(児福聯盟)が24日に発表したレポートによると、ライブ配信者のうち約20%を18歳以下の未成年者が占めていることが明らかとなり、中には視聴者からわいせつな行為を指示される事例も見受けられ、危険視する声が上がっている。

 ライブ配信はスマートフォンなどを通じて気軽に行える上、人気チャンネルとなれば月に数十万台湾元(1台湾元=約3.67円)の広告収入も得られることから、多くのユーザーが視聴者の獲得にあの手この手の工夫をこらしている。

 中には入浴シーンを中継して月に300万元の収入を上げる女性ユーザーもいるようだが、現在の配信サービスにはほとんど審査メカニズムが講じられていないことから、人気を獲得するため、放送内容がますます過激化する傾向にある。

 人気ミュージシャンの黄立成(ジェフリー・フアン)が立ち上げたライブ配信サービス「17直播」で性行為の場面が中継されて問題となったことをきっかけに、他の配信サービスでも性的な内容の配信が禁止される事態となった。しかし、その後も有効な規制手段がないことから過激な手法で人気を得ようとするユーザーが後を絶たないようだ。

 なお児福聯盟が台湾で人気のライブ配信アプリ、▽17直播▽浪live▽Live.me▽Up──を対象に行った調査では、配信者の2割を未成年が占め、さらにそのうち3分の2が少女という現状が明らかとなった。

 これら未成年者はライブ配信を行う理由について、暇つぶし、友人を増やしたい、有名になりたい、金を稼ぎたいなどと答えており、1日の配信時間は平均6時間にも上る。

 児福聯盟の黄韻璇執行秘書は、配信アプリの利用規定には「13歳以上で保護者の同意が必要」との項目が設定されているものの、チェック機能が存在しないため、実際は誰でも利用できるのが実情だと批判。その上で警戒心の薄い未成年者は視聴者から年齢や住所など個人情報に関する質問に安易に答えたり、悪意のある視聴者から服を脱ぐよう要求されるなど、危険な事態に巻き込まれるケースも見受けられると指摘した。

 こうした現状を受けて児福聯盟は、未成年者が被害を受けないよう、政府に対し法的な規制の導入を提言している。