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新南向医療協力、印・東南ア8カ国を重点対象に


ニュース 医薬 作成日:2017年7月26日_記事番号:T00071880

新南向医療協力、印・東南ア8カ国を重点対象に

 衛生福利部(衛福部)は2018年より、インドと東南アジアの8カ国を医療協力の重点対象と位置づけ、医療機材や医薬品、医療サービスの輸出などに4年で16億台湾元(約59億円)を投じる計画を策定した。蔡英文政権が進める「新南向政策」の一環で、台湾医療業界の市場開拓とともに、東南アジアへの影響力拡大を目指す。これにより医療協力の生産額の毎年20~30%成長を見込む。26日付工商時報が報じた。

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 医療協力の重点対象国は、▽インド▽インドネシア▽タイ▽ベトナム▽フィリピン▽マレーシア▽カンボジア▽ミャンマー──の8カ国。衛福部は、これらの国々と▽医療・衛生産業サプライチェーンの連携▽関連法規の調整▽人材育成▽感染症の拡大防止に向けた協力──などを進める。近く、台湾の医療チームが初めてベトナムでの腎臓移植手術を行う予定で、モデルケースの一つとしたい考えだ。

医療機器の相互承認目指す

 台湾は医療機材や医薬品を対象国に輸出する他、ソフトウエアから設備、管理サービスまでの一貫したスマート医療サービスの輸出も進める。また、台湾の歯科材料メーカーを支援し、4年で15件の認証取得を目指す。

 衛福部はまた、対象国との双方で、自国で取得した医療機器の承認や、臨床試験結果を相手側でも有効とする制度を導入したい考えだ。これにより対象国の市場参入障壁が下がり、企業提携の促進も期待できる。

 医療協力によって対象国での商機が拡大し、健康サービス業、医薬品の輸出額は毎年5~10%増。医療観光(メディカルツーリズム)、医療管理サービスを含めた医療協力全体の生産額の毎年20~30%増加を見込む。

医療観光も促進

 衛福部の計画によると、対象国3カ国に「国際医療サービスセンター」を設置。台湾へのメディカルツーリズムを促し、新南向政策の対象国からの医療目的による訪台人数を4年で50%増、延べ10万人以上に増やしたい考えだ。2016年は延べ8万5,348人だった。

 また、対象国から研修医、看護師を年200人台湾に呼んで人材育成を行う。台湾で経験を積んだ人材が帰国後に指導職を務めることを通じ、台湾の影響力拡大を期待する。

【表】