ニュース 社会 作成日:2017年8月3日_記事番号:T00072072
ある葬儀会社の従業員はこのほど、同社では仕事柄、24時間いつでも出勤できる態勢を取るよう要求され、退勤後、睡眠中に上司からのLINE(ライン)連絡に気づかず返答しなければ「毎日写経10回」の懲罰が科せられるなどと訴える投書を蘋果日報に行い、「退勤後も心の休まる暇がない」と過酷な勤務状況を明かした。
今回、匿名で投書を行ったのは台湾全土で葬儀サービスを展開する「聖恩礼儀」という会社の従業員で、彼の上司はたびたび午後11時以降にLINEを通じて部下にメッセージを送り付けており、一向に既読にならない、または既読になっても返答がない者に対し、写経10回の罰則を科しているという。
この従業員はまた、上司からのLINEに返答しなかった際に受け取った叱責メッセージを公開。その内容は「なぜそんなに自主性がないのか。あすから毎日、般若心経を10回書き写しなさい。1日でもサボれば罰は2倍にする」というものだった。
この上司の行為について台北市労働局の黄毓銘科長は、退勤後の部下に対し、翌日の出勤後に処理すべき業務に関するメッセージなどを送付することは問題ないものの、直ちに労務を提供するよう要求したり、翌日の就業時間前までに報告書を提出するよう命じたりすることは時間外労働をさせることと同義で、部下は労働時間を記録して時間外手当の支給を求めることができると説明した。なお雇用主がこれを拒んだ場合、労働基準法(労基法)違反で2万~100万台湾元(約7万3,000~366万円)の罰金が科せられることになる。
またLINEに返答しなかった部下に写経を命じたことについても黄科長は、双方が結んだ契約の労務内容に含まれておらず、部下は拒絶できると解説。さらに拒絶を理由に従業員に減給など不利益を与えた場合も労基法違反で同様の罰金が科せられることになるという。
蘋果日報が、部下に写経を命じた聖恩礼儀の上司に話を聞いたところ、上司は投書の内容を認め、「葬儀業者はいつ緊急依頼が入るか分からないため、常に派遣できる人手を把握しておきたいが、LINEを送って既読になっても返答しないケースが重なったため、罰則を設けた」と釈明した。その上で「違法なら今後は取りやめる」と語った。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722