ニュース 社会 作成日:2017年8月7日_記事番号:T00072122
台北市の民進党本部に侵入し、9万台湾元を盗んだ韓国人の男に対し、警察が400人を動員して、6日に逃亡先の鳥来(新北市新店区)で山狩りまで行って逮捕した。あまりのものものしさに「与党へのごますり」との批判が出ている。
逮捕されうなだれる趙容疑者。民進党本部に入ったのが不運だった(6日=中央社)
逮捕されたのは趙準基(チョ・ジュンギ)容疑者(34)で、韓国で20数件の窃盗歴がある他、タイ、マカオ、フィリピンなどでも犯行を重ね、国際刑事警察機構(ICPO)から国際的な窃盗犯罪常習犯としてリストアップされていた。
趙容疑者は7月31日に観光客としてタイから台湾に入境、台北市の有名ホテルに宿泊。翌朝、近くの北平東路にある民進党本部に侵入し、現金9万台湾元を盗んだ。そして、当日昼の航空機で東京に逃げたものの、ICPOのリストに名前が載っているため日本入国を拒否され、台湾に戻るよう要求された。
趙容疑者は3日午後に桃園国際空港に舞い戻ったが、内政部移民署は国際窃盗常習犯であることも民進党本部の事件も知らなかったため、翌日の韓国帰国を手配した上で一般のトランジット客として扱った。航空警察局も専門の係員を付き添わせなかった。そして趙容疑者は、入管係員の交代の隙を見てカウンターを乗り越え、空港外に逃亡してしまった。
趙容疑者は、韓国から訪台した女友達と共に烏来温泉に身を潜めた。一方、台湾警察は、被害に遭った民進党本部は蔡英文総統が毎週訪れることから、政治目的の犯行の可能性も疑い、400人もの警察官を動員して追い詰めた。宿泊先のホテルから未明に脱出した趙容疑者に対し、一帯を立ち入り禁止にして山狩りを展開し、6日正午ごろ、バラックの間の狭い道に逃げ込んでいたところを逮捕した。わずか9万元の侵入窃盗に対しての捜査としては前代未聞のものものしさだった。
なお、やすやすと趙容疑者の入境を許した桃園空港の甘い管理体制にも批判の声が挙がっている。趙容疑者が入管カウンターを飛び越えた際、本来なら鳴るはずの赤外線センサーの警報機が鳴らなかったという。
趙容疑者は民進党本部に侵入した理由について、「ビルに入ってみたところ、8階のガラス製のドアに鍵がかかっていなかったので盗みに入った」と供述しており、偶然目を付けたようだ。同党は、前日にイベントがあった関係で職員が入り口の鍵を閉め忘れていたと説明した。政権与党も桃園空港もねじが緩んでいた結果、大捕り物に発展したというのが今回の逮捕劇の真相のようだ。
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