ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

ホームレスにシャワー提供、利用率向上に苦心


ニュース 社会 作成日:2017年8月9日_記事番号:T00072192

ホームレスにシャワー提供、利用率向上に苦心

 連日の猛暑が続き、屋外に出れば瞬く間に汗まみれとなる今日このごろ、台湾ではホームレスたちの衛生問題にも関心が高まっている。各地方自治体では無料で使用できるシャワー車両を提供しているが、冬季に比べ夏季はホームレスたちの利用意欲が低下する傾向にあり、利用率向上に苦心しているようだ。

 気温が上昇する夏、ホームレスたちにとっていかに暑さをしのぐかが重要な問題となり、木陰や公園の涼亭(あずまや)などで日差しを避けるのが一般的となっているほか、コンビニエンスストアの入り口付近に陣取り、客が出入りするたびに店内から漏れてくる冷気で涼を取る者もいる。

 一方で小銭が手に入ったときは、ファストフード店やコンビニに向かい、1杯の飲料を購入して堂々とクーラーの効いた店内で過ごしたり、50台湾元で一晩滞在できるインターネットカフェで熱帯夜をやり過ごす手もあるようだ。

 なおシャワーの問題については、主要県市ではいずれも無料の移動式シャワー施設を提供しているが、夏場は公園の簡易シャワー設備を利用したり、水道水で体をぬぐう程度で済ませるホームレスが多く、利用率は高くないという。

 台中市では中区の駐車場と東区の市場付近にシャワー車を設置しているが、1日の利用人数は各10人程度。高雄市のホームレス福祉団体が提供するシャワー車も1日の利用は同5~7人にとどまるそうだ。

 台北市の柯文哲市長はホームレス対策を重要政策に組み込んでおり、ホームレス1人当たりのシャワーサービスの平均利用頻度は就任前の1カ月1.22回から昨年は3.59回に上昇した。とはいえ依然1週間に1回程度の利用にとどまっていることから、同市社会局では、シャワーを利用すれば新品の服や古着、食事券を提供するプランを打ち出している。

 あまりの暑さにホームレスはシャワーを浴びる気力もないと思われるが、体を清潔に保てば臨時の仕事にも就きやすくなる。そして収入が入ればクーラーのある環境で過ごすこともできる。なんとか好循環を生み出して厳しい夏を乗り切ってほしいものだ。