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記事番号:T00072228
2017年8月11日15:46

 2025年の脱原発目標に向けた柱となる台湾電力(台電、TPC)の大潭天然ガス(LNG)火力発電所(桃園市観音区)で、第3LNG受け入れ基地(観塘工業区)が、環境影響差異分析報告の審査が通らないため今月の着工を見送らざるを得なくなった。LNG受け入れ基地を整備して発電機を計画通り追加できない場合、3年後に電力不足に陥る恐れがあり、市民生活や産業活動に影響が出るほか、投資環境の悪化がクローズアップされる危険性もある。11日付自由時報が報じた。

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 LNG受け入れ基地は台湾中油(中油、CPC)が建設する施設で、陳金徳CPC董事長は、大潭発電所は2020~25年の台湾のエネルギー転換期における電力供給の柱だと指摘しつつ、LNG受け入れ基地の着工は年内が最終期限だと懸念をにじませた。

 大潭発電所は17~25年に発電機4基を追加し、設備容量を合計316万8,000キロワット(kW)増やす計画で、原子力発電所の発電機3基に相当する規模だ。もし大潭発電所の発電機4基をフル稼働できなければ、夏期の供給予備率が30~50%下がる恐れがある。

 7月末の台風9号(アジア名・ネサット)で和平火力発電所(花蓮県)の送電塔が倒壊したことで、8月8日から3日連続でピーク時電力供給余力がは90万kWを割り込み、「電力供給制限警戒」を示す赤信号が点灯した。こうした中、大潭発電所の発電機の早期稼働を求める声さえ上がっており、第3LNG基地は重要性が高まっている。

第5基地では代替困難

 陳CPC董事長は、第3LNG基地を建設する観塘工業区の用地は既に環境影響評価を通過しているが、工業港の環境差異評価が残っていると説明した。第3LNG基地の建設地を桃園市観音区以外に変更した場合、さらに1~2年かかるため、年内着工は確実に間に合わなくなるという。

 陳CPC董事長はまた、第3LNG基地と大潭発電所を結ぶ陸上パイプラインはわずか1.4キロメートルのため、安全に安定供給できるが、台中市に建設予定の第5LNG基地~大潭発電所の海底パイプラインは既に満杯の上、中部のLNG需要を満たす必要があると指摘した。

行政手続きに疑問も

 工業港の環境影響差異分析報告は、行政院環境保護署(環保署)が6月に開催した専案小組(小委員会)の会議を通過せず、期限内に対策を提出するよう求められた。CPCは現在、追加書類の提出を準備している。

 環保署の詹順貴副署長は、CPCは建設工事が海中の藻礁に影響を与えると認めたため、専案小組がCPCに調査報告を求めたのであり、このプロセスは環境影響評価法に合致していると説明した。また、専案小組の要求を満たしていれば、環境影響評価委員会大会(環評大会)の審査がスムーズになると述べた。

 ただ弁護士は、開発者に対策を求めることができるのは所管機関のみだが、所管機関は専案小組ではなく環保署であり、観塘工業区の開発者はCPCではなく経済部工業局だとして、CPCへの対策要求は不合理だと指摘した。

【表】

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