ニュース 電子 作成日:2017年8月18日_記事番号:T00072345
華碩電脳(ASUS)は17日、スマートフォン最新機種「ZenFone4」シリーズを、世界で先駆けて台湾と香港で発売した。カメラ機能を強化した「Selfie Pro」をはじめ、コストパフォーマンスの高さをアピールする。ASUSはアップルとサムスンのハイエンドブランドと、低価格で高性能な中国ブランドに挟まれて、前モデル「ZenFone3」は販売が期待を大きく下回った。ZenFone4が局面打開の切り札になるかも不透明だ。18日付蘋果日報などが報じた。
台湾メディアの報道は、コン・ユ(左)に焦点を当てたものが多かった。カメラ強化のアイデアや性能がそれほど注目を引かなかったことの裏返しでもある(17日=中央社)
ZenFone4の製品ラインアップのうち、ASUSが目玉機種としてアピールするのがSelfie Proだ。カメラ機能は、前面にいずれも1,200万画素のデュアルレンズと120度の広角レンズを配置し、自撮りの際により美しい画像を撮影できるようにした。後面にも0.03秒高速オートフォーカス対応の1,600万画素レンズを配置。前面、後面の両方とも4K動画の撮影が可能だ。プロセッサーはクアルコムのスナップドラゴン625、内蔵メモリは4G(ギガバイト)、有機EL(OLED)ディスプレイ搭載で、台湾での価格は9,999台湾元(約3万6,000円)から。自撮りを好む女性ユーザーをターゲットに据える。
一方、ZenFone4は第4世代移動通信システム(4G)使用で最長待受時間が23時間、充電5分間で2時間の通話が可能、36分で50%の充電と、急速充電機能を備えた。機種によって、価格は1万990元と1万3,990元がある。
Selfie ProとZenFone4は18日発売で、さらに9月中旬に最高級モデル「ZenFone4 Pro」の発売が控える。価格は約1万8,000元の見通し。
ZenFone4シリーズは韓国の人気俳優コン・ユ(孔劉)をイメージキャラクターに起用した。同社としては過去最多の6,000万元の契約料を支払ったとされる。コン・ユは発表会に登場し、約1,000人の女性ファンの歓声を浴びた。
今年は1500万台以下か
ZenFone4はASUSにとってスマホ事業の浮沈を懸けたシリーズだ。ZenFone初代機が2014年に初めて発売された際はわずか99米ドルの低価格が話題を呼んで販売も伸びたが、その後のシリーズで価格を引き上げるととも人気が薄れ気味になった。同社はスマホ事業でこれまで一度も黒字を計上したことがない。来年第2四半期の黒字化実現が目標だ。
ここ2年は、広東欧珀移動通信(OPPO)、維沃移動通信(vivo)、小米科技(小米、シャオミ)など中国ブランドの台頭で、中国、東南アジア、インド市場で苦戦が続いている。昨年の当初出荷目標は3,000万台だったが、その後2,500万台に下方修正。ZenFone3の発売時期が遅れ、さらに2,000万台に下方修正したが、実績は1,700万~1,800万台ととどまったとみられる。証券会社は、今年はZenFone4の投入が遅れた影響で前年割れとなり、1,500万台に届かない恐れがあると予測している。
競争力高い機種に絞る
沈振来(ジェリー・シェン)執行長は、第3四半期のスマホ販売台数はZenFone4効果で前期比20~30%増と予想。インド、中国以外では黒字化が可能だとの見方を示した。ただ、巨大市場のインド、中国で黒字転換が望めなければ、今後のスマホ事業の成長は難しいのかもしれない。
沈執行長はまた、従来は年間10モデル以上を発売していたが、今後は機種数に絞るとの考えを示した。リソースを集中し、より競争力の高い製品の開発を進める方針とみられる。
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