大学生のオリンピックと呼ばれる「第29回ユニバーシアード夏季大会」があす19日、台北市などで開幕する。12日間にわたり、22競技で熱戦が繰り広げられる。台湾で開かれる国際スポーツ競技大会としては過去最高レベルで、台湾政府の威信も懸かる。18日付自由時報が報じた。

　今大会には140余りの国・地域から約8,000人の選手が出場し、271個の金メダルを争う。開会式は同日午後６時から台北陸上競技場で行われ、蔡英文総統が開会を宣言する。

　地元台湾からは371人の選手団が出場する。金メダルの獲得目標は11枚だ。ロンドン、リオデジャネイロ五輪の女子重量挙げ金メダリスト許淑浄、リオデジャネイロ五輪同競技の銅メダリスト郭婞淳、2013年世界卓球選手権で男子ダブルスで金メダルを獲得した陳建安、同じく卓球男子で福原愛の夫でもある江宏傑、テコンドー女子の荘佳佳、同男子の劉威廷などが有力選手だ。

　一方、日本からは508人の選手団が参加。15日に東京で行われた結団式では、主将を務めるリオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介が「一人一人が日頃の努力を存分に発揮し、全力で競技に挑むことを誓います」と決意表明した。競泳陣のほか、陸上短距離男子で世界選手権代表の多田修平（関学大）らの活躍にも注目が集まる。

　今大会開催に至る準備状況は順調とは言えなかった。開会式と閉会式などメーン会場となるはずだった台北文化体育園区（通称・台北ドーム）は工事が中断したまま未完成に終わった。このほか、台北市内では内湖区のテニスセンター、和平国民小学のバスケットボール施設などが新設された。施設関連と投資額は98億台湾元（約約350億円）、大会運営費用や権利金などソフト面の費用が73億元で、大会総費用は約171億元を見込む。