ニュース 電子 作成日:2017年8月21日_記事番号:T00072380
インドの半導体、電子企業180社以上から成るインド電子産業半導体協会(IESA)が21日、台湾事務所を設置した。活発な経済成長が続き、台湾の大手電子企業も相次いで進出しているインドは、半導体製造業の導入に意欲を持っており、台湾企業の誘致を積極化するとみられる。台湾業界にとってもスマートフォン用チップをはじめ巨大市場の商機は魅力で、双方による今後の協力の進展が注目される。21日付工商時報が報じた。
IESA台湾事務所のミグノネ・チャン所長は、インドは川上分野の研究開発(R&D)で地位を得たものの、半導体製造業に参入できていないことが大きな悩みになっていると指摘。このため、台湾企業の投資を誘致し、サプライチェーン構築に協力してもらうことを希望している。「インドでの生産割合が全体の5%以上となれば、優遇関税を提供したい」とチャン所長は語った。
チャン所長はまた、事務所設立を契機に、インドの人材が台湾半導体企業との提携案件に直接参加したり、企業オペレーションを学べることも、半導体サプライチェーンのインド移植に有益との見方を示した。その上で、台湾にとっても、インドとの協力は政府の「新南向政策」に合致し、双方の実務的な経済関係をさらに強めることに貢献すると語った。
インドには鴻海精密工業がスマホ組み立て工場などを設置している他、IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)がベンガルールにR&Dセンターを設けている。東元集団(TECO)は今月初め、バイオ、IT(情報技術)ソフトウエアのサプライチェーン拠点を設置する計画を明らかにした。
現地シェア拡大に期待感
工業技術研究院(工研院、ITRI)半導体産業組の彭茂栄経理は、台湾は従来、インド半導体産業とのつながりが弱かったが、今後はIESAを通じてインド人材の導入が可能になると話した。
また、台湾経済研究院(台経院、TIER)は、メディアテックのライバル、中国・展訊通信(スプレッドトラム・コミュニケーションズ)はここ数年、インドのスマホチップ市場を積極的に開拓していると説明。インドのスマホチップ市場は需要が非常に大きく、台湾メーカーもインドメーカーと協力すれば、同国コンシューマーエレクトロニクス市場でシェア拡大を加速できると指摘した。
なお、インドの現地メディア「デイリーニュース&アナリシス」は、中国とインドの国境地帯で緊張が続く中、インド政府が掲げるメーク・イン・インディアで、中国企業との提携を減らす一方、台湾との関係を拡大していくことが可能と報道した。
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