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呉敦義氏が国民党主席に就任、「一中各表」に回帰


ニュース 政治 作成日:2017年8月21日_記事番号:T00072393

呉敦義氏が国民党主席に就任、「一中各表」に回帰

 野党国民党は20日、第20回全国代表大会(党大会)を台中市で開催し、呉敦義前副総統が同党主席に正式に就任した。中国との平和協定の締結を目指すとした文言を政策綱領から外し、統一色が強かった洪秀柱前主席の路線を修正。馬英九前総統時代の「1992年の共通認識(92共識)、一中各表(一つの中国、それぞれの解釈)」への回帰を掲げ、中国との対話と交流拡大をアピールする。

/date/2017/08/21/17wu_2.jpg呉新主席。「一中各表」で中国側の一定程度の理解を得ることが党再生に向けて重要な要素となりそうだ(20日=中央社)

 呉主席は、蔡英文政権発足からの1年3カ月について、両岸(中台)対話は途切れ、社会は対立と紛争が増え、経済面では電力、用地、労働者、用水などの不足に積極的に対応しようとせず、大企業が相次いで米国への大型投資を表明するようになったと述べ、「美麗の島(台湾)は踏みにじられた」と批判した。そして、国民党は「92共識」を基礎として台湾海峡の安定を平和を取り戻し、台湾人民の幸福を守ると訴えた。

 その上で、昨年政権を失った反省の下、党を支える若者層を育成し、地方政府や議会との対話を通じて投資環境の改善に務め、来年の統一地方選挙で勝利して、20年に政権に復帰すると宣言した。

 呉主席は就任演説で「一中各表」の4文字を直接使わなかったものの、同路線を歩むことを表明した。「一中各表」と発言しなかったことは、「統一に消極的」との中国側の疑念に配慮したためとみられる。

 中国・国務院台湾事務弁公室(国台弁)の安峰山報道官は呉氏就任に対し、「一つの中国を体現する92共識を堅持、台湾独立に反対する共同の政治的基盤の上で、国民党と対話し、両岸関係の平和的発展と台湾海峡の平和と安定を維持したい」と発言した。

 中国は今年、「それぞれの解釈」を受け入れない姿勢と強めているが、北京聯合大学台湾研究院の李振広副院長は、「国民党は厳しい時期を過ごしており、呉主席に厳しい要求をし過ぎるべきではない」とコメントした。