ニュース 社会 作成日:2017年8月22日_記事番号:T00072422
故宮博物院は21日、大阪市立東洋陶磁美術館と姉妹館提携を結んだ。故宮南部院区(嘉義県、故宮南院)で先月、東洋陶磁美術館から借り受けて展示していた古伊万里焼の皿が破損するトラブルが発生したが、これが相互の友好関係に影響を及ぼすことはなく、かえって信頼が深まったもようだ。
笑顔で肩を組んだ林正儀・故宮博物院院長(右)と出川哲朗・東洋陶磁美術館館長(左)。「雨降って地固まる」を地で行く展開となった(21日=中央社)
展示中に破損したのは江戸時代の1660~70年ごろに製造された伊万里焼の皿「青花柳葉鳥紋盤」(直径37センチメートル、高さ7.9センチ)で、「出帆万里―日本伊万里磁器特別展」(2015年12月28日~18年12月28日)の展示品として東洋陶磁美術館から貸し出されていたが、先月18日朝、皿立てから滑り落ち、3つに断裂した状態で見つかった。
当初、故宮南院の管理に問題があったのではないかとの指摘も出たが、その後、日本側の専門家が調査した結果、陶磁器の素材の粘土の構造がもともと弱かった上、長い年月を経たため断裂した経年劣化による自然現象と判明。人為的なミスが原因ではないことが確認された。
このほど台湾を訪れた東洋陶磁美術館の出川哲朗館長が18日、故宮博物院の林正儀院長とともに「青花柳葉鳥紋盤」を視察し、修復方法に関する話し合いを行った結果、継ぎ目を見えなくするのではなく、金などを使って装飾として生かす「金継ぎ」と呼ばれる日本の伝統技法を用いて日台共同で修復を行うことが決まった。
姉妹館提携の締結式に出席した出川館長は、故宮側の規約に則った迅速な対応を高く評価した上で、「青花柳葉鳥紋盤」は修復後、故宮南院にとどめ、展示を続行する考えを示した。これに対し故宮の林正儀院長は、冬休みシーズンまでに修復を終えたいと語った。
修復された皿には、日台が協力して修復に当たった証として美しい金色の継ぎ目が残されることになる。
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