ニュース その他分野 作成日:2017年8月23日_記事番号:T00072435
企業が過去2年間に採用した新社会人のうち、26.8%が入社3カ月以内に離職してしまったことが、求人求職サイト大手、104人力銀行の調査で分かった。仕事内容と希望とのミスマッチや、企業の文化・環境に適応できないことが主な原因として挙げられているが、行政院主計総処は、長期にわたる低賃金など構造的な問題が背景にあると指摘した。23日付工商時報が報じた。
新社会人の3カ月以内の離職率を地域別に見ると、▽北部、24.7%▽中部、27.7%▽南部、32.8%──で、南部は北部より8ポイントも高い。また、業種別の離職率は▽従来型製造業、31.1%▽一般サービス業、27.6%▽知識集約型サービス業、23.3%▽電子製造業、21.7%──で、従来型製造業は電子製造業を10ポイント近く上回っている。
一方、新社会人の平均月給は平均2万7,302台湾元(約9万9,000円)と過去3年間で最高となっており、待遇は改善傾向にある。地域別では、北部の平均2万8,091元に対し、南部は2万5,761元で、北部が南部よりも2,330元高い。北部は電子製造業が多いのに対し、南部は従来型製造業の割合が高く、調査結果からは、賃金の高低と離職者の多さには明確な関連性があり、賃金の低い南部の従来型産業で離職者が多い状況が浮かび上がる。
企業は心構えの重要性提言
新社会人の離職の原因について企業側は、「仕事内容がイメージと違った」、「企業文化や環境に適応できなかった」ことを挙げた。企業は、新社会人は謙虚な態度で学ぶ(41.2%)、定期的に仕事の進ちょくを確認し報告する(20.9%)、先輩や同僚とコミュニケーションを取り職場に溶け込む(20.8%)ことで、問題の改善につながるとしており、組織人としての心構えの重要性を提言している。
104人力銀行は新社会人に対し、仕事を探す際に個々の興味や会社の将来性、給料などをよく調べることで離職が減るとアドバイスした。
一方で、行政院主計総処国勢普査(国勢調査)処の潘寧馨副処長は、若者の離職率や失業率の高さは、長期的な低賃金や、専門技術が生かせないといった構造的な問題だと指摘した。
国家発展委員会(国発会)は、蔡英文政権が推進する経済振興策「5+2産業創新(イノベーション)計画」による産業の構造改革を通じて、若者が活躍できる舞台を創出すると強調した。
若年層失業率、12%
行政院主計総処の統計によると7月の15~24歳の若年層の失業率は12.41%と、90年代の4.5~7.3%の2倍前後。ITバブルが崩壊した00年の10.4%より高く、世界金融危機発生時の14.5%からはやや改善している。今年上半期の被雇用者の経常性給与(賞与、残業手当などを含まない基本賃金)から消費者物価指数(CPI)上昇分を除いた実質経常性給与は月3万7,787元と00年を下回っており、企業の給与条件が理想からかけ離れていることも離職率や失業率を押し上げている要因と言えそうだ。
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