ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

群創、中華映管と戦略提携


ニュース 電子 作成日:2008年5月6日_記事番号:T00007249

群創、中華映管と戦略提携

 
 6日付工商時報によると、鴻海集団傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)は、中華映管(CPT)系列の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)メーカー、誠創科技(シントロニック・テクノロジー)の転換社債(CB)2億台湾元(約7億円)分を購入し、提携の第一歩を踏み出した。豊富な調達力でサプライチェーンの垂直統合を進める大型パネルメーカーとは異なり、中堅メーカーは適度なリソースの交換を通じて生き残りを図る。
T000072491

 
 大同集団に属する誠創は、上場時の資本金は16億2,100万元、第1四半期の純利益は5,200万元で一株当たりの利益(EPS)は0.32元となっている。同社の最大株主は同じく大同傘下の華映で、大華国際資産管理顧問公司の名義で19.09%の株式を保有している。また、今期中に発光ダイオード(LED)工場を設立し、量産を始める計画を持っている。

出資比率5%に

 誠創が昨年発行した6億元の転換社債は、もともと華映が4億元分を自社で保有し、残りの2億元については投資家の出資を募る予定だった。しかし鴻海集団との協議を経て先週、華映は2,000枚分を群創に売却したとされる。株式に転換できる基準日である7月12日以降、群創の誠創への出資比率は5%となり董監事席を獲得する可能性もある。ただ、華映の持ち株率は20%前後で変化はなく、依然最大株主の座にとどまる。

 今後誠創の大株主となる群創の許嘉成財務長は、「上下流垂直統合は必然の方向だが当社自身はCCFLを生産しておらず、戦略的な投資が必要だ」と同投資案を否定しなかった。華映の巫俊毅財務長も「今後LED光源および照明市場展開の中心となる誠創に対し、他のパネルメーカーにも出資を求め、誠創の受注を増やす」と発言した。

双方の利害が一致

 傘下にCCFLメーカーを持ち綿密な垂直統合を進める友達光電(AUO)と奇美電子(CMO)の2大手とは異なり、規模の小さい緯創は先日、自力でのLED関連事業参入は行わないと明言した。このため、緯創がCCFLおよびLEDを供給源を確保する当たっては、戦略的提携以外に道はないとみられていた。

 緯創はまた、これまでカラーフィルター(CF)の供給を日本のサプライヤーに頼ってきたが、今後は域内からの調達率を高める方針だ。域内唯一の独立CFメーカー、和鑫光電(シンテック・フォトロニック)は先日、2基のCF工場をすべて華映に売却することを発表しており、華映との提携には今後のCF調達も念頭にあったとみられる。

 一方華映も、友達ほどの調達規模はない上、誠創が同社からの受注頼みでは業績が苦しくなるのは明らかだった。今回の提携は、傘下の部品メーカーの生産能力を使いきれない華映と、自力で子会社や新工場を設立できない群創の利害が一致した結果と言える。

大型メーカーとは異なるモデルを

 パネル産業への投資が増え、垂直統合が進めば規模の小さいメーカーははじき出されることになる。瀚宇彩晶(ハンスター)や華映が第3世代工場を売却して、自社の強味のあるパネルサイズに注力することを決めたように、今後中堅メーカーは大型メーカーとは異なる戦略で最適な経営モデルを模索し、生き残りをかけることになると工商時報では分析している。