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太平洋そごう、遠東そごうに店名変更へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2017年8月25日_記事番号:T00072490

太平洋そごう、遠東そごうに店名変更へ

 遠東集団(ファーイースタン・グループ)傘下の百貨店大手、太平洋崇光百貨(太平洋そごう)は24日、開業30周年を機に、遠東そごうに店名を変更すると発表した。9月1日からとされる。遠東集団が2002年に出資後、太平洋建設集団との間で経営権をめぐる訴訟戦が繰り広げられ、今後のトラブル回避のため、太平洋の冠を外すと説明した。太平洋そごうは87年11月に開業し、「いらっしゃいませ」とお辞儀をして来店客を出迎えたり、エレベーターガールを導入したりと、台湾百貨店業界に日本スタイルを広めるきっかけとなった。消費者からは、慣れ親しんだ太平洋そごうの店名に名残を惜しむ声が聞かれた。25日付自由時報などが報じた。

/date/2017/08/25/00SOGO_2.jpg太平洋そごう台北店忠孝館は、台湾の百貨店業界の店舗別で売上高首位を誇る(太平洋そごうフェイスブックより)

 太平洋崇光百貨は86年、太平洋建設とそごう(00年に経営破綻)による初の日台合弁の百貨店としてスタートした。87年11月に1号店となる台北店忠孝館をオープンし、現在は台北4店、桃園市中壢区1店、新竹市2店、高雄市1店と、台湾では計8店を営業している。

 遠東集団の徐旭東(ダグラス・シュー)董事長は、12年に新竹市でショッピングセンター(SC)、遠東巨城購物中心(ビッグシティー)と遠東そごう新竹店ビッグシティー館をオープンした際に「遠東そごうへの店名変更は時間の問題」と話していた。中国の7店は近年、遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)に店名変更を進めている。

 遠東そごうへの店名変更に伴い、販促品や紙袋などの印刷も変更するが、太平洋崇光百貨の社名はそのままで、取引先との契約に影響はない。

 同社は、日本のそごうから商標のライセンス供与を受けて使用しているが、以前の経営者(太平洋建設の章民強総裁ら)がそごうに対し、商標権の訴訟を起こしていることから、今後、商標権侵害などの争議発生を回避するため、「太平洋」の商標使用を取りやめると説明した。

 太平洋そごうは、遠東集団が出資した02年当時は5店で年間売上高が260億台湾元(約940億円)にすぎなかったが、昨年の売上高は431億8,000万元に上った。

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周年慶セールでも存在感

 太平洋そごうは開業当初、日本スタイルの百貨店を導入するため、そごうから日本人幹部が多数派遣され、店舗内もバックヤードも日本人が指揮を執った。それまで台湾の百貨店では店員が座って仕事をしていたが、椅子が撤去され、立って接客するようになったのも太平洋そごうの影響だ。こうした日本スタイルの導入が、台湾百貨店業界のサービス水準向上に貢献した。

 また、太平洋そごうが10年以上前、毎年秋に開催される周年慶(創業祭)セールで、ハローキティのリュックサックを来店記念プレゼントとしたところ、1万人以上が行列する人気となり、台湾の百貨店業界で各店が独自の来店記念プレゼントを競い合うようになった。

 太平洋そごう台北店忠孝館1階では化粧品が1坪当たり月100万元売れ、周年慶セールで消費者の長い行列ができるほか、海外ブランドのトップが訪台後まず視察に訪れるという。

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