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作成日:2008年5月7日_記事番号:T00007256
格安券で自転車操業、遠東航に当局懸念
遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)が財政難を打開するため、格安航空券を旅行会社に大量に卸していることについて、張国政交通部民用航空局長は「リスクが大きい」として、消費者に注意を呼び掛けた。7日付工商時報が伝えた。
遠東航空が旅行会社に卸した格安航空券は4月末までに2万3,000枚に達した。台北~済州(韓国)線の航空券は1,500台湾元(約5,200円)で販売されているケースもあるという。格安航空券を乱発すれば、旅行会社から先に現金収入を得られるが、後日運航コストを下回る収入しか得られず、同社の経営危機に拍車をかける可能性がある。
民用航空局は、格安航空券の発券自体は商業行為なので干渉できないとの立場だが、張局長は格安航空券を「慢性の毒薬」と形容した。
遠東航空は6日、1~3月期の機体保険、第三者賠償責任保険の保険料55万米ドルを支払ったが、財源は大量の格安航空券発行と夏休み期間の航空券前売りで得た収入だったという。
一方、遠東航空の白旭屏董事長は5日午後、マレーシアとシンガポールに向かった。シンガポールのジェットスター・アジア航空とマレーシアのエア・アジアに出資を働き掛けるのが目的とみられる。