ニュース 社会 作成日:2017年8月29日_記事番号:T00072564
2015年末にオープンした国立故宮博物院南部院区(嘉義県、故宮南院)の人気が早くも下降している。今年上半期の入館者数は前年同期に比べ大幅に減少。夏休みシーズンの現在も館内は閑散とした状態で、周辺の観光産業にも影響が懸念されている。
故宮南院。来年は嘉義でランタンフェスティバルがあるため、来訪者数の盛り返しに期待をかける声もある(29日=中央社)
故宮南院の統計によると、今年上半期の入館者数は延べ59万人余りで、前年同期の85万人から26万人もの大幅減となった。特に6月は5万4,000人と前年同月の11万3,505人からほぼ半減した。
入館者の減少はその後も続いているようで、同館のスタッフは「今年の夏休みは昨年に比べ落ち込みが激しい」と指摘。休日は入館者が比較的多いそうだが、平日に訪れるツアー客の減少が特に深刻だという。
故宮南院処の林天人副処長は、昨年はオープンしたばかりで新鮮味があったほか、今年3月末までテスト営業期間として入館料を無料としたため、大勢が訪れたと説明。新鮮味が薄れ、無料期間も終了したことが入館者数の減少につながっているとの見方を示した。
また今年に入り、台湾を訪れる中国人観光客が急減していることが注目されているが、林副処長は故宮南院の入館者減にとって主因ではないとした上で、今後は新たな客層の開拓が重要な課題となると語った。
なお嘉義県政府は故宮南院のオープン当初、同県の人気観光地、阿里山と連携したツアーが「黄金路線」となり、県内に宿泊する観光客が増えるとの見通しを示したことなどから、同県では数十軒のホテル新設計画が持ち上がり、相次いで着工した。
しかし故宮南院の入館者が急減する中、ホテル業者の中には計画を変更するケースも出ており、業界団体、嘉義市旅館商業同業公会の李素珍理事長は、来年9月に開業を予定していたホテル3軒が再来年にオープンを延期し、ターゲット顧客も中国客ではない外国人客に変更したと明らかにした。
「故宮」というネームバリューだけではやはり、人気は長続きしないようで、今後は多様な展示を企画するなどで客層を広げ、地道に評価を築いていく必要がありそうだ。
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