ニュース その他分野 作成日:2017年9月1日_記事番号:T00072627
台湾区電機電子工業同業公会(電電公会、TEEMA)が中国に進出した台湾企業(台商)を対象に行ったアンケート調査によると、「対中投資・生産を拡大したい」と回答した企業は32.46%と、7年連続で減少した。「将来、業績はマイナス成長になる」との回答は69.75%と、ここ5年で10ポイント以上上昇した。人件費の上昇に加え、中台関係の冷え込み、米中摩擦の高まりにより、台商は中国投資の見通しにさらに悲観的となっている。1日付工商時報が報じた。
電電公会が31日発表した「2017年中国大陸地区投資環境・リスク調査」によると、「対中投資・生産を拡大したい」との回答は前年比で5.84ポイント下落、2011年比では18.49ポイント下落した。実際の投資件数も12年の636件から減少を続け、16年にはほぼ半分の323件まで縮小した。投資金額も12年の127億9,000万米ドルから減少傾向で、16年には96億7,000万米ドルとなった。
将来の展望については、「業績はマイナス成長になる」と回答した企業が69.75%と、台商の3社に2社が悲観的な一方、「中国企業と合弁で経営したい」との回答は12.98%と11年比で2.4倍に増えた。同調査を指揮した中原大学企業管理の呂鴻徳教授は、中国企業が実力をつけ業績を伸ばす中、台商は単独で収益を上げることが難しくなっていると指摘。孤軍奮闘するよりも、中国企業との合弁で現状を打破したいとの考えが広がってきているようだ。
性急な環境政策、対応に苦慮
また中国では、環境保護対策が急速に進められており、台商の多くが対応に苦慮している。馬英九前政権の前期に行政院大陸委員会(陸委会)副主任委員を務めた高長・東華大学公共行政学系教授によると、当局は世界標準よりも厳しい環境保護規定をわずか半年~1年の準備期間で強行する方針で、多くの台湾企業はまだ減価償却が完了していない設備の更新を迫られたり、排ガス、廃水など新基準に適合する設備がなかなか見つからないといった状況に陥っているようだ。こうした政府主導の強引な政策推進も対中投資意欲の低下の要因になっている。
対中投資環境の悪化を背景に、「台湾にUターン投資したい」との回答は11年比で1.75ポイント上昇して7.01%と、11年以降上昇傾向が続いている。呂教授は政府に対し、台湾へのUターンを望む企業への支援と同時に、中国の台商が孤立無援に陥らないよう明確な対中政策を策定すべきだと呼び掛けた。
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